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知る・学ぶ 2024-06-24

目を見れば通じ合える! 愛犬とアイコンタクトで心を通わせてみよう

ペットと目を合わせて気持ちを伝え合うアイコンタクト。成功するとペットに信頼されているようで嬉しくなりませんか?
アイコンタクトはトレーニングが必要ですが、覚えればさまざまなメリットや嬉しさが味わえます。

そこで今回は、アイコンタクトのメリットやトレーニング方法などについてご紹介します。

アイコンタクトとは?

アイコンタクトは飼い主と愛犬が目を合わせ、意思を疎通させてさまざまな指示を与える行動です。愛犬がマスターするまではトレーニングが必要で、「少し大変かも…」と思うかもしれませんが、アイコンタクトができるようになれば犬との絆が深まり、かけがえのない時間が過ごせますよ。

アイコンタクトができる動物は犬だけ!

犬は人の目を見て状況判断や反応をすることができます。世界には数多くの動物がいますが、実は人とアイコンタクトができるのは犬だけなのだそうです。
かといって、どんな人に対してもアイコンタクトをするわけではありません。信頼できる相手、好きな相手が基本であり、そして上手にマスターするためにはトレーニングが必要です。
犬がアイコンタクトをマスターしたら、それは飼い主を信頼していることの証明にもなります。愛犬からの信頼の証と考えると、「一緒にトレーニングしてマスターしてほしい!」と思う人も多いのではないでしょうか。

単に「目を合わせる」だけじゃないアイコンタクト

アイコンタクトは単に目を合わせるだけではありません。犬が飼い主に注目する・意識を向ける重要な行動です。
飼い主に注目している状態なら指示を聞き入れやすくなることが多いため、毎日の行動だけではなく、外出先で考えられる突発的な状況での行動にも役立つでしょう。
もちろん、単純に「愛犬と目が合うと嬉しい」という気持ちを味わえるのも、飼い主にとっては何よりも重要な一面かもしれませんね。

アイコンタクトを覚えさせるメリットは?

愛犬がアイコンタクトを覚えることにより、さまざまなメリットが生まれます。愛犬と飼い主の双方に好影響があるため、ぜひマスターしてみてはいかがでしょうか。

飼い主との絆が深まる

飼い主と犬がお互いに見つめ合うと、オキシトシンというホルモンが分泌されます。オキシトシンは愛情・信頼などの感情に関わる「愛情ホルモン」と呼ばれるもので、双方の絆を深めたいときにはぴったりの効果を持っています。
愛犬が「飼い主と目を合わせると幸せな気持ちになる!」と学べば、アイコンタクトも上手にマスターしてくれるでしょう。

しつけをしやすくなる

アイコンタクトは飼い主に注目している状態でもあります。どんなときでも飼い主に注意を向けているため、指示を聞き入れやすくなっている状態です。しつけについて指示を出してもしっかり耳に入り、理解力が高まるでしょう。
しつけの指示をなかなか聞いてくれないと悩んでいる飼い主さんは、アイコンタクトができているかどうかを改めて確認してみてはいかがでしょうか。

問題行動が減る

散歩中にほかの犬と会って興奮したり、知らない人に望ましくない行動を取ってしまったりしたときなどにもアイコンタクトが効果を発揮します。
目を合わせて飼い主に意識を集中させることにより、興奮対象から目を逸らすことができるでしょう。
ほかにも問題行動をしてしまいそうなときや混乱しているときなどに名前を呼び、目を合わせてあげてみてください。信頼している飼い主の目を見て安心し、穏やかな気持ちを取り戻せるでしょう。

アイコンタクトのトレーニング方法

アイコンタクトはしつけの基本と言われることもあるほど重要視されています。愛犬がマスターできるように、飼い主も少し工夫してあげてみてください。

1:前準備

アイコンタクトのトレーニングを始める前に、愛犬が名前を呼ばれたら反応するかどうかを確認しておきましょう。アイコンタクトをするときには名前を呼ぶことがトリガーになるため、必要な準備です。
おすすめの方法は「嬉しいことがあるときに名前を呼ぶこと」。
例えばご飯をあげるときには「(名前)、ごはんだよ!」、大好きな散歩に行くときには「(名前)、散歩に行くよ!」などのタイミングで呼ぶと、「名前を呼ぶといいことがあるんだ!」と覚えやすくなります。

2:目が合ったら褒めてあげる

アイコンタクトは「目を合わせる」ことが目的です。愛犬の顔を両手で優しく包み、顔を向けさせて名前を呼んでみてください。
このときに目が合ったら思いきり褒めてあげましょう。愛犬が「目が合うと褒めてもらえる!」と学習すればトレーニングの効果が積み重ねられていきます。
目が合わない場合はがっかりしたり叱ったりするのではなく、愛犬の顔をゆっくり優しく上下左右に動かしてみてください。その動きの中で目が合ったら、目が合った瞬間に褒めてあげましょう。
目を合わせるときには必ず「飼い主が下から覗き込まないようにする」という点を意識してみてください。下から覗き込むと犬が上下関係を勘違いし、「この人間は自分より下なんだな」と認識してしまいます。

3:おやつを使って視線を誘導する

なかなか上手にアイコンタクトができないときには、おやつを使って視線を誘導するのもよい方法です。
飼い主が小さなおやつを手に持って立ち、愛犬の視線をおやつに向けさせます。そのあとおやつを持った手を飼い主自身の顔に近づけ、愛犬の視線を飼い主の目に向かせるように誘導しましょう。
そこで目を合わせることができればおやつをあげ、思い切りほめてあげてください。おやつはご褒美にもなるため、愛犬がますます「目を合わせると幸せ!楽しい!」と思えるようになるでしょう。

4:上達してきたらおやつを減らしていく

おやつを使ったトレーニングが上手になってきたら、おやつを使う頻度を減らしていきましょう。ここまでの段階で十分にアイコンタクトができるようになっていればそのタイミングです。
最初に飼い主の指を愛犬の顔の前に出してみせます。犬が視線で指を追うようになったら飼い主の顔まで誘導し、アイコンタクトできるように進めてみてください。
回数を重ねるうち、おやつがなくても上手にアイコンタクトができるようになるでしょう。

【ポイント】はじめは屋内で、慣れたら屋外でも

アイコンタクトのトレーニングは屋内からスタートしましょう。慣れていて刺激が少ない場所で少しずつ経験を積ませ、屋内でしっかりできるようになれば屋外デビューがおすすめです。
屋外は屋内よりも刺激が多いため、最初は上手にアイコンタクトができなかったり、徐々にできなくなってきたりといった状態になるかもしれません。
それは愛犬がトレーニング効果を忘れてしまったのではなく、屋外のさまざまな環境に刺激を受けてしまっているためです。そのような場合には無理をせず、屋内に戻り、ふたたびゆっくりとトレーニングを積んでいきましょう。

アイコンタクトで愛犬との絆を深めよう!

アイコンタクトは愛犬が飼い主の指示を受け入れやすくなり、しつけやトラブル回避に役立つ大切な行動です。また、目を合わせれば幸せホルモンが出るため、愛犬との絆がより深くなるのも嬉しい一面ですね。
トレーニングはうまくいくこともあれば、いかないこともあるでしょう。なかなかうまくいかなくても焦らず、愛犬と一緒に少しずつ成長していきましょう。困ったときにはドッグトレーナーや獣医師さんに相談してみるのもおすすめです。

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知る・学ぶ 2024-06-20

湿気対策はどうしてる? 湿度がペットに与える悪影響と対処法

美しい季節の移り変わりとはいえ、梅雨や夏場の湿気には参ってしまいます。人間でもひと苦労なのですから、ペットはもっと大変なのでは…?と心配になりませんか。
今回は、犬や猫をはじめ、ペットに適した湿度や湿気対策などについて詳しくご紹介します。

湿度が高すぎるとペットに悪影響! 考えられるデメリット

湿度が高い日は人間でも不快感を覚えたり、体調不良になったりしがちです。ペットも同様で、湿度が高すぎる環境では思わぬ悪影響が出てしまうことがあります。

傷んだフードで食中毒になる可能性

湿気の多い時期は細菌が繁殖しやすい環境で、フードが傷みやすくなっています。傷みに気づかずにあげたフードを食べたペットが食中毒になってしまう可能性があるため、フードの管理にはいつも以上に気を配りましょう。
例えば、食べ残したフードは放置せずにすぐに片付け、カビや腐敗を防ぎましょう。特にウエットフードは傷みやすいため、最初から食べきれる分だけを出すか、使い切れない分は冷凍するなどのひと手間を掛けて保存しましょう。

消化器や呼吸器への負担

湿気が高いと消化器に負担がかかり、お腹を壊してしまうことがあります。また、冷えにも注意しましょう。蒸すためあまり寒さは意識しない季節かもしれませんが、梅雨どきは雨で気温が下がることも少なくありません。
夏の湿気は高い気温とともに息苦しさを生じさせることがあり、呼吸器に負担がかかります。人間でも「暑い・湿気が多い」という場所では息苦しさを感じますよね。ペットもそれと同様です。

ノミ・ダニ・カビの発生による皮膚病

湿気が高い時期はノミ・ダニ・カビの発生がほかの季節よりも多くなります。それらが原因でアレルギー性の皮膚疾患やアトピー性皮膚炎などを発症してしまうケースもあり、注意が必要です。
ペットが普段よりも身体を舐めたり噛んだりしている様子や、脱毛している様子などがあれば、早めにかかりつけの動物病院で診てもらいましょう。

外耳炎になってしまうことも

ダニの中には外耳炎を発生させるものもあります。前述の通り、湿気はダニを増殖させる恐れがあるため、梅雨や夏場は普段よりも注意深くペットの様子を観察したほうがよいでしょう。
特に垂れ耳や長毛種のペットは要注意です。犬であればビーグルやゴールデンレトリバー、トイプードルなどは発症リスクが高いため、飼い主も注意してあげてください。

ペットが快適に暮らせる湿度はどれくらい?

ペットが快適に暮らせる湿度はどれくらいなのでしょうか。犬や猫をはじめ、ウサギやハムスター、ヘビなどが暮らしやすい湿度について見ていきましょう。

犬・猫

ノミ・ダニなどの発生を抑えられる湿度を意識しましょう。ノミ・ダニはおおむね60%以上の湿度になると活発に動くようになるため、ボーダーラインを60%にしておくと分かりやすいのではないでしょうか。
かといって、湿度が低すぎる環境もよくありません。脱水症状や皮膚の乾燥をまねく可能性があるためです。
犬の場合は40%~60%、猫の場合は50%~60%を目安に湿度をコントロールしましょう。これらはあくまで目安であり、愛犬や愛猫の年齢や毛のタイプ、体格などによって変わるため、様子を見ながら設定してあげてください。

ウサギ

ウサギは汗による放熱ができないため、飼い主が気をつけてあげなければいけません。快適な湿度は約60%と言われており、70%を超えると体調不良などの悪影響が生じる可能性があります。
このほか、長毛種のウサギは高湿度で毛が絡まりやすくなり、通気性が悪くなる恐れも考えられます。通気性が悪くなるとダニが居着き、皮膚炎になってしまうこともあるため、小まめなブラッシングも心がけましょう。

ハムスター

ハムスターに適した湿度は40%~60%です。湿度が高すぎるとやはりダニが発生しやすくなり、皮膚トラブルが心配されます。
また、ケージ内にカビが発生する恐れもあるため、湿気が多い時期は換気や除湿に気を使い、ケージの状態にも気を配りましょう。特に底や床材はカビが生えやすいため、注意深く観察するよにしましょう。

ヘビ

ヘビは45%~60%ほどの湿度で管理してあげてください。「毛がないんだから皮膚炎の心配はないのでは?」と思うかもしれませんが、空気中の細菌が増殖し、生活環境に影響が出てしまいます。
かといって乾燥しすぎもよくありません。ヘビは呼吸器があまり強くないため、湿度が低すぎると人間と同様に風邪を引いたりすることがあるのです。
湿気が高いときは除湿を、低いときには加湿をするなど、細かいコントロールをしてあげましょう。

快適な空間を作るために効果的な方法は?

快適な空間を作るためには湿度のコントロールが欠かせません。除湿アイテムやエアコンを適切に使用しながら、ペットが生活しやすい環境を作ってあげましょう。

除湿アイテムを活用しよう

室内の湿気をコントロールできるアイテムのひとつとして、除湿剤がおすすめです。スーパーやドラッグストアなどで手軽に買えるため、湿気の多い場所に置いてみてください。
ただ、除湿剤は体内に取り込むと体調への悪影響が心配されるものです。ペットが間違えて食べたり口に入れたりしないよう、飼い主がしっかり管理する必要があります。
除湿剤による事故が心配な人は、凍らせたペットボトルを部屋に置くのもおすすめです。冷やされた空気がペットボトルの表面に付着し、その分湿気が減ります。結露が出るため床濡れなどには注意しましょう。

エアコンの使用も適切に

エアコンに除湿機能があれば活用しましょう。電気代が心配な昨今ですが、無理のない範囲で使ってみてください。
また、エアコンはペットの熱中症防止にも効果的です。可能であれば24時間つけっぱなしにしておくと、ペットが快適に暮らせる空間を維持できるでしょう。
可能であればサーキュレーターや扇風機も併用して、空気を循環させると冷房効率が高くなるため、取り入れてみてはいかがでしょうか。

【注意】部屋を冷やしすぎないで!

エアコンで快適に湿気をコントロールしていると思っていても、室温を低くしすぎるのは要注意です。
部屋が冷えすぎ、「寒い」と感じたペットは、体温低下を防ぐために水分をとらなくなってしまい、脱水症状になる恐れがあるのです。
室温は22℃~25℃を目安にして、寒さを感じないようにコントロールしてみてください。これくらいの室温であればペットも飼い主も快適に感じられるでしょう。
傷みやすいウエットフードには乾燥剤を入れておくのもよい方法です。また、できるだけ冷蔵庫に保管して早めに食べきることを意識するようにしましょう。

湿気コントロールでペットと快適に季節を過ごそう!

梅雨や夏場の湿気には人間も辟易するものですが、自分で室内環境をコントロールできないペットもつらい季節です。湿気が多いと体調不良や病気になってしまうこともあるため、飼い主が適切にコントロールしてあげなければいけません。

ペットに快適な環境の多くは人間にとっても快適であることが多いので、ペットのための工夫のつもりが人間のためになるのも嬉しい一面です。
除湿アイテムやエアコンの除湿機能を上手に使いながら、快適な環境でペットと一緒に蒸し暑い季節を乗り切りましょう。

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暮らし 2024-03-21

寒い時期には注意して! ペットの低温やけどは気づきにくいことも

冷え込む時期には、ペットに暖房器具を用意してあげる飼い主さんも多いことでしょう。体調管理に効果的な暖房器具ですが、気がつくと低温やけどをしていることがある点には注意が必要です。

そこで今回は、ペットの低温やけどの症状や対策などについて詳しく解説します。

ペットも人間も気づきにくい低温やけどの怖さ

寒い季節には人間もペットも暖房器具が恋しくなるものです。湯たんぽや使い捨てカイロ、ヒーター、ストーブなど、色々な暖房器具を使って快適な環境を作り出すでしょう。
ただ、製品の注意書きに「低温やけどに注意しましょう」と記載されていることに気づいている飼い主さんも多いかもしれません。実は人間だけではなく、ペットの低温やけども注意するべきなのです。

低温やけどとは?

低温やけどは、高温で起こる一般的なやけどとは異なり、約44℃~60℃の低い温度に長時間接触することで生じてしまうやけどが該当します。
一番低い約44℃の場合、普通の人なら「お風呂のお湯にしては少し熱いな」と感じる程度であることが多く、やけどの原因になる可能性がある温度とは思い至らないかもしれません。
しかし、動物は人間よりも長い毛で身体が覆われています。長い毛は熱さを感じにくい性質があるため、動物自身が「熱いな」と感じないままじわじわと熱が皮膚にダメージを与えてしまうおそれがあります。

低温やけどになるとどんな心配があるの?

低温やけどは、一般的な高温によるやけどよりも痛みに気づきにくい特徴があります。そのため気づいたときには症状が進行しており、治るまで長期化してしまうことも少なくありません。
痛みに気づきにくいとはいえ、症状が進行すれば痛みを感じるようになることは当然です。治るまで長期化する場合、その痛みが長く続くということにもつながります。ペットが痛みで長く苦しむのは飼い主にとっても哀しいことでしょう。
また、気づくまでに時間がかかりすぎ、やけどの範囲が広がってしまうケースも。体表面積の2~5割以上にやけどを負ってしまうと、敗血症の恐れも生まれると考えておきましょう。
ペットのために用意した暖房器具が、逆に健康を損ねては元も子もありません。暖房器具の設置方法やペットに過ごさせる環境には注意が必要です。

こんな状態は要注意! ペットの様子をよく観察して

低温やけどはペット自身も気づきにくいため、普段と違った様子を見せないことも多く、飼い主の発見が遅れてしまうケースが少なくありません。
もしもペットに以下のような様子があれば、低温やけどを疑い、必要であればかかりつけの動物病院に相談してください。

1:身体の同じ場所を気にしている、舐めている
2:特定の場所の被毛がはげている
3:皮膚が赤くなっている、水ぶくれができている、めくれている

このような状態は、低温やけど以外でもペット自身のクセやほかの原因で見られるかもしれません。
しかし、低温やけどをした動物に見られる行動でもあり、獣医師さんも注意を促していることは少なくないことも事実です。
あてはまる様子があれば、できるだけ早くかかりつけの動物病院へ行くことをおすすめします。

低温やけどの原因は? 症状は?

低温やけどの原因や症状について詳しく見てみましょう。ペットだけではなく人間も同様の原因で低温やけどが起こるため、飼い主もペットと一緒に気をつけるようにしてください。

低温やけどは熱さの感じにくさが原因に

前述の通り、低温やけどは約44~60℃の低めの温度に長く接触することが原因で起こります。ホットカーペットやペットヒーター、湯たんぽ、こたつのような熱源に長く触れていると起こりやすくなります。
どの暖房器具も、寒い時期には人間もペットも好んで使うものではないでしょうか。使っている時は温かく快適でも、長時間使い続けると低温やけどの原因になるため注意が必要です。

症状の深さは4段階

低温やけどの症状は4つの段階に分類されます。

【Ⅰ度】低温やけどの中ではもっとも軽い症状です。皮膚が赤くなったりヒリつきを感じたりします。

【Ⅱ度】水ぶくれができ、強い痛みが生じる段階です。ペットがしきりに同じ場所を気にしていたり、舐め続けているような様子があれば注意が必要になります。
また、進行すると皮膚の壊死や神経の損傷、感染症なども心配される段階のため、早めの処置が必要です。

【Ⅲ度】深いやけどが起きています。皮膚や皮下組織に重大な症状が見られるため、必ずすぐにかかりつけの動物病院へ連れて行きましょう。

低温やけどに気づいたら?

ペットの低温やけどに気づいたら、もっとも大切なことはかかりつけの動物病院で診てもらうことです。もしも症状がひどく、布や異物が傷口に付着している状態でも、はがさずに受診してください。
受診までの間は可能なら冷水を入れたポリ袋で冷やしたり、流水で積極的に冷やしてあげるのも効果が期待できます。冷やしたあとは清潔なガーゼで患部を覆い、傷を保護してあげましょう。

ペットを低温やけどにしない予防のポイント

低温やけどが心配だからといって、暖房器具をすべて撤去する必要はありません。注意を払いながら上手に使えば、低温やけどを防ぎながら快適な環境を作れるようになります。

湯たんぽや使い捨てカイロはここに注意!

湯たんぽはそのまま置くのではなく、厚手のカバーをかけてあげましょう。直接触れると気持ちよいことは確かなのですが、低温やけどの原因になります。
また人間がよく使う、使い捨ての貼るカイロはペットの使用に向きません。こちらも低温やけどの原因です。どうしても使わせてあげたい場合には、湯たんぽと同じように厚手のカバーで包んであげてください。

暖房器具のそばで長時間過ごさせない

人間もペットも、温かいストーブやヒーターの前で長く過ごしたくなるものです。「こたつに入ったら出られない!」という人もいるでしょう。
しかし、暖房器具のそばで長時間過ごすことも低温やけどをまねきます。適度な時間が経ってもペットが暖房器具のそばから移動しない場合には、飼い主がほかの場所へ連れて行ってあげましょう。
エアコンを上手に使い、暖房器具のそばだけではなく、部屋中が温まる工夫をするのもおすすめです。暖房器具の周りに柵を作り、至近距離まで近づけないようにするのもよいでしょう。

定期的に身体をチェックしてあげる

低温やけどは初期段階で気づきにくいものです。特にペットは強い痛みのような大きな違和感を持つまで変わった様子を見せないかもしれません。その時点では進行している可能性が高くなっています。
暖房器具の前で過ごす時間が増えたと思ったら、定期的に身体をチェックしてあげましょう。赤くなっている部分や触れたら嫌がる特定の部分があれば低温やけどを疑い、早めに治療を始めることが大切です。

気づかないと怖い低温やけどは飼い主が注意しよう

低温やけどは気づきにくく、厄介なものですが、飼い主が注意することによって防げる確率は高くなります。
暖房器具の使い方や長時間の使用を避けつつ、万が一低温やけどになってしまった場合には、早めにかかりつけの動物病院で受診しましょう。

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知る・学ぶ 2024-01-17

ペットも一緒に旅行したい! 移動・宿泊で気をつけることや準備について

家族の一員であるペットと一緒に旅行や帰省をしたいと考える飼い主さんは少なくないでしょう。
とはいえ普段と違う環境で過ごしたり、長い移動時間になったりなど、「ペットが負担を感じるのでは?」という心配もあります。

そこで今回は、ペットと旅行するときに気をつけたいことや事前準備などについてご紹介します。

事前調査はしっかりと! 緊急時の対応も視野に入れて

人間だけの旅行なら必要なくても、ペットを連れて行くのならぜひ知っておきたい情報があります。ペットと楽しい旅行をするために、しっかりと事前調査を行いましょう。

行き先で緊急時に対応できる動物病院があるかどうか

普段は健康なペットでも、旅行中や旅行先での環境変化で体調を崩してしまったり、思わぬ急病になったりする可能性があります。人間なら救急病院へ駆け込めばよいのですが、ペットだとそうはいきません。
行き先でペットが不調になったときや予想外の怪我をしてしまったときなどに備え、滞在先や観光先の近くにある動物病院を調べておきましょう。その際には連れて行くペットの種類に対応できるかどうかも必須の確認事項です。
また、長期休暇中は動物病院も閉まっていることがあります。そのような場合にはどうするべきか、考えておくと安心です。かかりつけの動物病院で、旅行先での緊急対応について相談するのもよいでしょう。

宿泊先に普段の食器やフードを持ち込めるか

地元の食材でペット専用のメニューを提供しているようなホテルを使うのなら、ぜひ一緒に楽しみたいと思う飼い主さんも多いでしょう。
そのようなホテルでは、ペット用に素敵な食器やフードを用意してくれているのですが、もしかするとペットは環境の変化に緊張してせっかくの食事が食べられないかもしれません。
かといって、まったく食べないと心配になります。いつも使っている食器でいつものフードなら食べるかもしれないため、いざというときに備えて準備しておくと安心です。
ただ、持ち込む際には念のためホテルへの確認が必要です。「持ち込みOK」「持ち込みOKだけどお部屋のみで」など、ホテルごとに条件が違う可能性があります。予約の時点で事情を説明し、許可を取っておきましょう。

ホテルはペットOKか、自分のペットは対応しているか

ホテルのすべてがペットの宿泊に対応しているわけではありません。旅行情報サイトやホテルの公式サイトなどで、ペットの対応について確認してから予約手続きをしましょう。
ペットOKでもペットの種類やサイズによっては対応できないホテルがあります。たとえば「小型犬なら○頭までOK」「大型犬はNG」「エキゾチックアニマルはNG」などの条件があれば、自分のペットが該当するかどうかを考えなくてはいけません。
また、ホテルによってはワクチン接種証明書の提示が求められることもあります。宿泊先に求められたらすぐに提示できるよう、必ず用意しておきましょう。

どうしても連れて行けないときには?

特定の動物やエキゾチックアニマルは、旅行先で受け入れOKの宿泊施設が見つからない可能性があります。そのような場合にはどうするかを考えておくことも大切です。
ペットホテル、ペットシッターなどを事前に探し、希望の日程を予約できるかどうかを確認しましょう。

移動距離や移動手段にも注意して

人間でも長距離移動は負担を感じるものです。それは動物も変わりません。移動距離や移動手段についても気を配りましょう。

ペットが負担を覚えるほど長距離にならないか

自由に動き回れない乗り物を使った長距離移動は、ペットにとって大きな負担を与えたり、不安感をまねいたりします。体調不良やメンタル不安定につながりかねないため、可能な限り配慮してあげましょう。
移動距離はできれば2時間以内がおすすめです。どうしても長時間になる場合は小まめな休憩を取りましょう。
例えば自動車で犬を連れての移動なら、犬の散歩ができるサービスエリアを利用したり、ドッグランつきのサービスエリアへ意識的に寄ってあげたりしてはいかがでしょうか。マイカーなら自由にスケジュール組めるため、飼い主の気分転換や休憩がてらにおすすめです。
またレンタカーを利用する場合、ペットの同乗は別料金になることがあります。レンタカーショップで確認しておきましょう。

公共の乗り物を使うなら注意や配慮が必要

公共交通機関の多くは、運営会社側が定めたルールを守ればペット同乗がOKになっています。OKとはいってもルールやマナーがありますので、同乗する際には意識した行動を心がけることが肝心です。

例えば、JR東日本ではペットの同乗について以下の規則を定めています。

”小犬、猫、鳩またはこれらに類する小動物(猛獣やへびの類を除く)で、
・タテ・ヨコ・高さの合計が120センチ以内の動物専用のケースにいれたもの
・ケースと動物を合わせた重さが10キロ以内のもの”
※引用:JR東日本

同様に、東京メトロの規則は以下の通りです。

”子犬、猫、鳩その他これらに類する小動物(猛獣及びヘビの類を除く)は、
縦・横・高さの合計が120センチメートル以内の専用の容器に収納し、
その総重量が10キログラム以内のもので、他の旅客に危害を及ぼし、
又は迷惑をかけるおそれがないと認められるものに限り持ち込むことができます。”
※引用:東京メトロ

自分のペットが該当するかどうか、調べた上で同乗しましょう。判断が難しければ各交通機関の窓口への相談をおすすめします。

なお、夜間の高速バスは基本的にNGです(例外あり)。路線バスは「キャリーケースに入れればOK」「サイズ規定を守ればOK」などのルールを定めていることがありますので、各バス会社の公式サイトなどで確認してください。

持ち物の準備は入念に!

持ち物の準備はしっかりしておきましょう。状況によって必要なものが変わるため、優先順位を考えながら準備してください。

必ず持って行くべきもの

「これだけあれば何とかなる!」と思えるものは積極的に準備しましょう。

・首輪、ハーネス、リード
・いつものご飯、おやつ、食器、水皿
・トイレシート、トイレトレー、汚物・ゴミ入れ
・ブラシ、コーム(宿泊先での抜け毛マナーに)
・クレート、ケージ、ペット用ベッド
・使い慣れたブランケット、マット
・(あれば)服用薬
・ワクチン接種証明書、狂犬病予防注射済票

備えとして持って行きたいもの

旅行中、万一のことがあるかもしれません。備えるためにできるだけ準備しましょう。

・迷子札
・救急用品
・健康記録(よく処方される薬の名前など)
・マナーパンツ、マナーベルト
・服、雨具
・消臭剤

あると便利なもの

なくても問題ないかもしれませんが、あればあったで役立つものです。

・お気に入りのおもちゃ
・目薬や整腸剤など
・アンカー

ほかにも「うちの子にはあったほうがいいな」と思えるものがあればプラスしておきましょう。

ペットとの旅行は事前準備が大切!

ペットとの旅行は準備が大変ですが、だからこそ旅行中の楽しさが増すのではないでしょうか。ペットと一緒に楽しい旅行をするために、ぜひ入念な準備をしてください。「ペットと一緒に行けてよかった!」と思えるような旅行になると素敵ですね。

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美容・健康 2023-03-30

「デブ猫」は要注意? 猫が太る原因と肥満対策

いわゆる「デブ猫」といわれるぽっちゃりした猫ちゃんの姿はとても可愛らしく、飼い主さんもあまり気にしないという方が多くいらっしゃいます。
しかし、猫の肥満は知らず知らずのうちに様々な病気を引き起こすリスクがありますので、健康管理上は適正な体重を維持することが大切です。

今回は、猫が太る原因や肥満対策、注意点などについてご紹介します。猫の肥満度のチェック方法も解説しますので是非参考にしてくださいね。

猫の肥満を判断する基準がある?

はじめに、猫は全ての個体が同じ大きさ・体重というわけではもちろんありませんので、その子にとってのベストな体重・体型は種類などによってもそれぞれ異なります。
猫が太っているかどうかを判断する基準としては、一般的に成長期が終わる1歳ごろの体重を理想体型の基本として比較し、ベスト体重のおよそ20~30%を超えた場合は「肥満」だといわれます。
ただし、成長がゆっくりな大型猫などはこれに当てはまらない場合がありますので、あらかじめ獣医さんなどに確認してみることをおすすめします。

また、猫の肥満度を確認するには、「BCS」(ボディコンディションスコア)という方法を用いることである程度判断が可能になります。
BCSは主に下記の5段階に分かれ、猫の外見や触り心地で脂肪がどれくらいついているのか肥満度をチェックします。

・BCS1 痩せ
・BCS2 やや痩せ
・BCS3 理想的
・BCS4 やや肥満
・BCS5 肥満

BCSの評価は上述のとおり、痩せ〜肥満までとなっており中間のBCS3が理想的とされBCS4以上はダイエットが必要です。
※猫の「BCS」(ボディコンディションスコア)詳細については、環境省が発行している
「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」をご覧ください。

猫が肥満になる原因

猫が肥満になる原因は様々ですが、その多くが以下の3つに分けられます。
現代は肥満猫が増加傾向にあるといわれていますので、思い当たる原因があれば一つ一つ改善していきましょう。
猫は肥満になると糖尿病や高血圧、脂肪肝や関節疾患などの病気リスクが高まるため注意が必要です。

1.食べ過ぎによるカロリーオーバー

猫が肥満になる原因として最も多いのが、人間と同じく食べ過ぎによるカロリーオーバーです。
飼い猫は食べるのに困ることもなくフードが与えられ、ついついあげすぎてしまっているという飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
食事に加えて、喜んで食べるからといっておやつも与えすぎているのであれば1日の摂取カロリー基準を簡単にオーバーしてしまい、太りやすくなる原因となります。
猫に与える食事は適正な量を心がけ、おやつも必要以上にあげてしまうのはなるべく避けましょう。

2.運動不足

運動不足も人間と同じく肥満の原因となります。特に猫の場合は1日中室内でゆっくり寝て過ごしている子が多いため、食事の摂りすぎに加えて運動不足に陥ると肥満になりやすくなってしまいます。
摂取したカロリーよりも消費カロリーが少ないと太る原因となりますので、時間を決めておもちゃで遊んであげるなど、なるべく運動させるように心がけましょう。
キャットタワーなどを設置して猫が運動できる環境を整えるのもおすすめです。

3.避妊や去勢手術

避妊や去勢手術を行うと猫はホルモンバランスが変化し、代謝エネルギー量が減ることに加え、食欲は逆に旺盛になるためどうしても太りやすくなってしまいます。
避妊や去勢は猫を安全に飼育する上で大切な処置ですが、肥満になる最も一般的な原因でもありますので、術後は食事のコントロールなどに気をつけましょう。

このほかにも、引越しなどの環境変化からストレスが溜まり過食に走るケース、遺伝的な要因、投薬によるものなど様々なことが原因としてあげられます。

猫の肥満対策

猫の肥満対策・予防は「食事のコントロール」と「適度な運動」が基本となります。
無理なダイエットは禁物ですので、適切な方法で根気よく行いましょう。

食事・カロリー量を見直す

まずは普段の食事量・カロリー量を見直すところから始めていきましょう。
1日に必要なカロリーは猫の現在の体重、目標とする体重、年齢、運動量などによっても変わるため、はじめにかかりつけの動物病院で獣医師の指示を仰ぐことをおすすめします。
簡易的にはダイエット開始時点の摂取カロリーに対して7割程度に抑えるのが一般的とされていますが、あくまで目安ですのできちんと相談しましょう。
決められた食事の1日の分量を一度に一気に食べさせるのではなく、数回に分けて与えるようにするとダイエットはしやすい傾向にあります。食べ残しがある場合はすぐに片付けましょう。

また、いくら食事量を見直してもおやつを多く食べてしまっていては意味がありませんので、おやつも含めて計算に入れましょう。
急におやつを抜いてしまうとストレスにつながるため、はじめは上手く回数や量を調整してください。

カロリー計算が難しい場合は肥満猫用のダイエットフードを取り入れるのもおすすめです。カロリーバランスが調整されており、空腹感を満たすために食物繊維が含まれている商品もあるので、猫のストレスが少なくダイエットが行えます。
一方で誤った与え方をすると別の健康被害を引き起こす恐れがありますので、獣医師の指導のもとで取り入れましょう。

猫の食事を見直す際は、早く痩せさせようと考えてフードの量を極端に減らすのは避けてください。
猫に必要な栄養素も同時に減ってしまうばかりか、極端に食事量が減ることで「肝リピドーシス」という命を落としてしまう恐れもある病気を引き起こす危険があります。

適度な運動を行う

食事のコントロールに加えて、猫の運動量を増やすことも肥満対策・予防に効果が期待できます。
しかし、猫の場合は運動だけで体重を落とすのは難しいため、あくまで食事管理の補助的なポイントとして考えてください。

外で暮らす猫に比べて室内猫は運動量が少なくなりがちですので、運動する機会を増やすために猫じゃらしなどのおもちゃを活用して遊んであげましょう。コミュニケーションもとれるので一石二鳥ですし、時間を決めて習慣化すると効果的です。

また、狭い室内でも設置できるキャットタワーもおすすめです。
猫は上下運動が得意ですので登ったり降りたりできて運動不足の解消になるだけでなく、ストレス解消させることでイタズラなどの軽減にもつながります。
ただし、太っている猫はジャンプの着地などのときに関節を痛める危険があるため、フロアマットなどを用意して衝撃を和らげる工夫をしておきましょう。

愛猫の日頃の健康管理と適度な食事・運動を心がけよう!

愛猫の日頃の健康管理と適度な食事・運動を心がけよう
猫が太る原因や肥満対策、注意点などについてご紹介しました。
猫は肥満になると糖尿病など様々な病気を引き起こす恐れがあるため、日頃から定期的に体型・体重のチェックと適度な食事・運動で健康維持することが大切です。
猫は一度太ってしまうと運動だけでは痩せにくいため、1日の食事量・カロリー量の管理が重要になります。
ただし、極端に食事の量を減らすのは「肝リピドーシス」などの危険な病気につながる恐れがありますので注意しましょう。

また、猫の現在の体重、目標とする体重、年齢、運動量によっても1日に必要なカロリーは異なりますので、まずはかかりつけの動物病院で獣医師に相談し猫に合った肥満対策・予防を行ってくださいね。

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