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知る・学ぶ 2024-06-24

目を見れば通じ合える! 愛犬とアイコンタクトで心を通わせてみよう

ペットと目を合わせて気持ちを伝え合うアイコンタクト。成功するとペットに信頼されているようで嬉しくなりませんか?
アイコンタクトはトレーニングが必要ですが、覚えればさまざまなメリットや嬉しさが味わえます。

そこで今回は、アイコンタクトのメリットやトレーニング方法などについてご紹介します。

アイコンタクトとは?

アイコンタクトは飼い主と愛犬が目を合わせ、意思を疎通させてさまざまな指示を与える行動です。愛犬がマスターするまではトレーニングが必要で、「少し大変かも…」と思うかもしれませんが、アイコンタクトができるようになれば犬との絆が深まり、かけがえのない時間が過ごせますよ。

アイコンタクトができる動物は犬だけ!

犬は人の目を見て状況判断や反応をすることができます。世界には数多くの動物がいますが、実は人とアイコンタクトができるのは犬だけなのだそうです。
かといって、どんな人に対してもアイコンタクトをするわけではありません。信頼できる相手、好きな相手が基本であり、そして上手にマスターするためにはトレーニングが必要です。
犬がアイコンタクトをマスターしたら、それは飼い主を信頼していることの証明にもなります。愛犬からの信頼の証と考えると、「一緒にトレーニングしてマスターしてほしい!」と思う人も多いのではないでしょうか。

単に「目を合わせる」だけじゃないアイコンタクト

アイコンタクトは単に目を合わせるだけではありません。犬が飼い主に注目する・意識を向ける重要な行動です。
飼い主に注目している状態なら指示を聞き入れやすくなることが多いため、毎日の行動だけではなく、外出先で考えられる突発的な状況での行動にも役立つでしょう。
もちろん、単純に「愛犬と目が合うと嬉しい」という気持ちを味わえるのも、飼い主にとっては何よりも重要な一面かもしれませんね。

アイコンタクトを覚えさせるメリットは?

愛犬がアイコンタクトを覚えることにより、さまざまなメリットが生まれます。愛犬と飼い主の双方に好影響があるため、ぜひマスターしてみてはいかがでしょうか。

飼い主との絆が深まる

飼い主と犬がお互いに見つめ合うと、オキシトシンというホルモンが分泌されます。オキシトシンは愛情・信頼などの感情に関わる「愛情ホルモン」と呼ばれるもので、双方の絆を深めたいときにはぴったりの効果を持っています。
愛犬が「飼い主と目を合わせると幸せな気持ちになる!」と学べば、アイコンタクトも上手にマスターしてくれるでしょう。

しつけをしやすくなる

アイコンタクトは飼い主に注目している状態でもあります。どんなときでも飼い主に注意を向けているため、指示を聞き入れやすくなっている状態です。しつけについて指示を出してもしっかり耳に入り、理解力が高まるでしょう。
しつけの指示をなかなか聞いてくれないと悩んでいる飼い主さんは、アイコンタクトができているかどうかを改めて確認してみてはいかがでしょうか。

問題行動が減る

散歩中にほかの犬と会って興奮したり、知らない人に望ましくない行動を取ってしまったりしたときなどにもアイコンタクトが効果を発揮します。
目を合わせて飼い主に意識を集中させることにより、興奮対象から目を逸らすことができるでしょう。
ほかにも問題行動をしてしまいそうなときや混乱しているときなどに名前を呼び、目を合わせてあげてみてください。信頼している飼い主の目を見て安心し、穏やかな気持ちを取り戻せるでしょう。

アイコンタクトのトレーニング方法

アイコンタクトはしつけの基本と言われることもあるほど重要視されています。愛犬がマスターできるように、飼い主も少し工夫してあげてみてください。

1:前準備

アイコンタクトのトレーニングを始める前に、愛犬が名前を呼ばれたら反応するかどうかを確認しておきましょう。アイコンタクトをするときには名前を呼ぶことがトリガーになるため、必要な準備です。
おすすめの方法は「嬉しいことがあるときに名前を呼ぶこと」。
例えばご飯をあげるときには「(名前)、ごはんだよ!」、大好きな散歩に行くときには「(名前)、散歩に行くよ!」などのタイミングで呼ぶと、「名前を呼ぶといいことがあるんだ!」と覚えやすくなります。

2:目が合ったら褒めてあげる

アイコンタクトは「目を合わせる」ことが目的です。愛犬の顔を両手で優しく包み、顔を向けさせて名前を呼んでみてください。
このときに目が合ったら思いきり褒めてあげましょう。愛犬が「目が合うと褒めてもらえる!」と学習すればトレーニングの効果が積み重ねられていきます。
目が合わない場合はがっかりしたり叱ったりするのではなく、愛犬の顔をゆっくり優しく上下左右に動かしてみてください。その動きの中で目が合ったら、目が合った瞬間に褒めてあげましょう。
目を合わせるときには必ず「飼い主が下から覗き込まないようにする」という点を意識してみてください。下から覗き込むと犬が上下関係を勘違いし、「この人間は自分より下なんだな」と認識してしまいます。

3:おやつを使って視線を誘導する

なかなか上手にアイコンタクトができないときには、おやつを使って視線を誘導するのもよい方法です。
飼い主が小さなおやつを手に持って立ち、愛犬の視線をおやつに向けさせます。そのあとおやつを持った手を飼い主自身の顔に近づけ、愛犬の視線を飼い主の目に向かせるように誘導しましょう。
そこで目を合わせることができればおやつをあげ、思い切りほめてあげてください。おやつはご褒美にもなるため、愛犬がますます「目を合わせると幸せ!楽しい!」と思えるようになるでしょう。

4:上達してきたらおやつを減らしていく

おやつを使ったトレーニングが上手になってきたら、おやつを使う頻度を減らしていきましょう。ここまでの段階で十分にアイコンタクトができるようになっていればそのタイミングです。
最初に飼い主の指を愛犬の顔の前に出してみせます。犬が視線で指を追うようになったら飼い主の顔まで誘導し、アイコンタクトできるように進めてみてください。
回数を重ねるうち、おやつがなくても上手にアイコンタクトができるようになるでしょう。

【ポイント】はじめは屋内で、慣れたら屋外でも

アイコンタクトのトレーニングは屋内からスタートしましょう。慣れていて刺激が少ない場所で少しずつ経験を積ませ、屋内でしっかりできるようになれば屋外デビューがおすすめです。
屋外は屋内よりも刺激が多いため、最初は上手にアイコンタクトができなかったり、徐々にできなくなってきたりといった状態になるかもしれません。
それは愛犬がトレーニング効果を忘れてしまったのではなく、屋外のさまざまな環境に刺激を受けてしまっているためです。そのような場合には無理をせず、屋内に戻り、ふたたびゆっくりとトレーニングを積んでいきましょう。

アイコンタクトで愛犬との絆を深めよう!

アイコンタクトは愛犬が飼い主の指示を受け入れやすくなり、しつけやトラブル回避に役立つ大切な行動です。また、目を合わせれば幸せホルモンが出るため、愛犬との絆がより深くなるのも嬉しい一面ですね。
トレーニングはうまくいくこともあれば、いかないこともあるでしょう。なかなかうまくいかなくても焦らず、愛犬と一緒に少しずつ成長していきましょう。困ったときにはドッグトレーナーや獣医師さんに相談してみるのもおすすめです。

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知る・学ぶ 2024-05-27

噛み癖は直せるの? 愛犬が手を噛んでくる理由と改善法

飼い主さんの中には、愛犬の噛み癖に悩んでいる人がいるかもしれません。子犬でも成犬でも、噛み癖はなるべく早く直さなければ後になってトラブルを起こす恐れもあります。
噛み癖が起こる原因は複数考えられるため、愛犬の事情に合わせた対応が必要です。愛犬に寄り添いながら適切なトレーニングをして改善を目指しましょう。

今回は、愛犬の噛み癖を直す必要性や、噛み癖の原因、改善方法などについて詳しくご紹介します。

犬の噛み癖の理由は? 本能と環境に左右される!

犬の噛み癖に悩んでいる飼い主さんは、その原因に心当たりがあるでしょうか。まずは愛犬が噛んでしまう原因を知り、改善について考えていきましょう。犬が噛み癖をつけてしまう代表的な5つの原因をご紹介します。

口の中がかゆい

もしも噛み癖のある犬がまだ子犬なら、歯の生え変わりが原因で「口の中に違和感がある!かゆい!」と感じ、解消しようとして噛んでいるのかもしれません。
犬の歯は、一般的に生後約4~6か月の頃にかけて生え変わります。この時期に噛むようになったら、歯が健康的に生え変わってきているかどうかをチェックしてあげてみてください。

遊んでいるつもり

飼い主にとっては深刻な噛み癖でも、愛犬は遊んでいるつもりの場合があります。
子犬時代に飼い主が「なんだ、遊んでいるだけなのか」と譲歩して噛み癖をそのままにしてしまうと、成犬に成長して力が強くなっても続けてしまいかねません。
遊ぶ姿はかわいいものですが、愛犬の将来を考えて、早めに対処することを考えましょう。

本能的な行動

犬は本能的に噛んでしまうこともあります。たとえば愛犬が寝ているときや遊んでいるとき、かわいいからといって、愛犬が予期しないタイミングで撫でたら噛まれた経験はありませんか。
急に触られた犬は「攻撃された!」と思い込み、身を守るために噛んでしまう可能性があります。
本能による行動はコントロールが難しいため、専門家のトレーニングを受けることの検討したり、周囲が注意して生活するなどの配慮が必要になるでしょう。

ストレス

犬にとって苦手なことをされたり、怖い思いをしたりなど、ストレスがかかったときにも噛む場合があります。嫌なシーンから逃げたいと考え、噛んでしまうということです。
たとえば爪切りや入浴のタイミングで噛むことがあれば、それは愛犬が苦手なシーンなのでしょう。また、運動不足や体調不良、環境変化などでストレスを感じるケースもあります。

飼い主の気を引こうとしている

飼い主に構ってほしい、甘えたいという気持ちから、「こちらを見てよ!」という意味で噛むこともあります。
なんともかわいい行動に思えますが、成犬になって力加減を間違えると大怪我をさせてしまう可能性もあるため、子犬の頃から「構ってほしくても噛んではいけない」と教えてあげてください。

噛み癖を放置しているとどうなる? 考えられるケースとは

噛み癖の放置は愛犬自身、飼い主、周囲の人など広い範囲に悪影響を与えてしまいかねません。もしも噛み癖を改善しないままにしておいた場合、どのようなことが起こりやすいのか考えてみましょう。

飼い主や他人に傷を負わせてしまう可能性

「噛んではいけない」と知らないまま成長してしまうと、自分の要求を通したいときやストレスから逃れたいときなどに「噛むこと」そのものを伝達手段としてしまうようになります。
子犬の頃は噛んでもそれほど力が強くなく、「甘噛みするなんてかわいいな」と思える程度かもしれませんが、成犬になればそれでは済みません。噛んだ相手に大怪我をさせてしまう可能性もあります。
たとえそれが害意を持った行動ではなくても、人を噛んだ犬は「咬傷事故を起こした犬」として扱われることになります。
他人が被害者であれば治療費や賠償も発生するため、誰にとっても後味の悪い結果になってしまうでしょう。

物を破損する可能性

室内飼いの場合、家具や衣類などを噛んで破損してしまう恐れがあります。インテリアが損ねられるだけではなく、破損したものの誤飲なども心配しなくてはいけません。
飼い主や家族の住環境が悪化するとともに、被害の度合いによっては金銭面でも悩みが出てしまうでしょう。
自宅ならまだしも、よその家や持ち物を噛んで破損してしまった場合、弁償する必要が生じたり、今後のお付き合いに悪影響が出たりすることもあります。

ブラッシングや入浴などが難しくなる

ブラッシングや入浴、爪切りなどのタイミングで噛む場合、力の強い成犬になっても噛み癖が直らなければ、飼い主の手に負えなくなります。
ブラッシングや入浴のたびに噛まれることは飼い主にとっても苦痛になり、きちんとしたお手入れをしてあげられなくなるかもしれません。
外部の力を借りてお手入れをするとしても、トリミングサロンによっては噛み癖のある犬を受け入れないこともあるため、やはり噛み癖の対策は必須になるでしょう。

噛み癖の対策は? 原因を探って適切な対応を

噛み癖を改善するためには、噛む原因を突き止めて対応していく必要があります。具体的にはどのようなことをするとよいのでしょうか。

噛まれたら「痛い」と表現する

愛犬に噛まれたときには黙ってやり過ごすのではなく、「痛い」と表現して「やってはいけないこと」だと教えましょう。
その際、大声で叱りつけるのではなく、「痛い」という事実を伝えてその場を立ち去るなどの方法がおすすめです。
「飼い主を噛んだら痛がり、そのせいで自分のそばからいなくなってしまう」と愛犬に学習させることにより、噛み癖の改善を目指します。
このとき、大声で注意したり、大げさに痛がったりすることはおすすめできません。「遊んでいるのかな」「楽しそう」と愛犬が勘違いして、効果が薄れてしまう可能性があります。

噛むおもちゃをあげて欲求を発散させる

もともと犬は噛む動物です。噛んで遊べるおもちゃをあげて、「噛みたい!」という欲求を満たしてあげましょう。
ただし、飼い主が手に持って遊ぶおもちゃは「おもちゃを噛んでよい=手も噛んでよい」と誤った学習をしてしまう恐れがあります。噛み癖がある場合、犬自身だけで遊べるおもちゃが適しているでしょう。

力関係を明確にする

飼い主よりも自分のほうが優位だと勘違いした犬は、飼い主の言うことを聞かないばかりか、攻撃的な性格になってしまうことがあります。噛み癖を直すためのしつけも受け入れなくなるでしょう。
飼い主のほうが優位であるということを教え、噛んではいけない存在であることや、噛み癖を直すためのしつけを受け入れなくてはならないと学習させることが大切です。

愛犬に寄り添いながら噛み癖を改善しよう

噛み癖の原因や直し方にはさまざまで、この記事でご紹介したもの以外にも多くの種類があります。愛犬の噛み癖に困っている飼い主さんは、愛犬がなぜ噛んでしまうのかを突き止め、適切な方法で改善していきましょう。

自分の力ではどうにもならない、適切なしつけ方に自信がないという場合には、ドッグトレーナーさんに相談してみるのも有効な選択肢です。
社会の中で一緒に楽しく暮らしていくためにも、愛犬の噛み癖を直せるように、愛犬に寄り添いながら諦めずに頑張りましょう。

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知る・学ぶ 2024-03-25

黄色いリボンは何のサイン? 犬を守る「イエロードッグプロジェクト」

黄色いリボンをつけてお散歩している犬を見かけたことはありませんか? もしかすると「イエロードッグプロジェクト」に関わる犬かもしれません。
その場合は周囲の人の配慮が必要になる可能性もありますが、聞き慣れない人が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、イエロードッグプロジェクトについて詳しく解説します。

犬を守るイエロードッグプロジェクト

イエロードッグプロジェクトは、一部の犬を守るために立ち上げられたプロジェクトです。より多くの犬が安心して外出や散歩ができるよう、その概要や歴史について知っておきましょう。

イエロードッグプロジェクトとは?

散歩中の犬のリードに黄色いリボンがついていたら、それは「近づかないでほしい」「そっとしておいてほしい」という意思表示です。これは飼い主のわがままではなく、なんらかの事情を抱える犬をストレスや衝撃から遠ざけるためにつけられています。
ただ、近づかないでほしい理由は決してその犬が攻撃的だからではありません。むしろどちらかといえば、近づくと怖がったり、ストレスを感じたりしてしまう状態の犬がイエロードッグプロジェクトに参加しています。
リードに黄色いリボンをつけた犬を見かけたら、声をかけたい気持ちをぐっとこらえ、少し離れた場所から静かに見守ってあげましょう。愛犬との散歩中にすれ違ったときには、愛犬も同じように見守ってあげられるように導いてあげてください。

イエロードッグプロジェクトの歴史

イエロードッグプロジェクトは2010年代にスウェーデンで始まりました。オーストラリアでほかの犬や人に対して強すぎる興味を示したり、ストレスを感じたりする犬に目印をつけていることを知ったスウェーデンの学者が提唱したことがきっかけです。
この活動には早い段階から賛同者が集まり、犬を愛する人々の間で積極的に取り入れられるようになりました。最近は日本でも認知度が高まり、取材メディアや口コミなどを通して、一般の人の間でも知られるようになりつつあります。
リードについた黄色いリボンは「事情があるため距離を取ってほしい」という意思表示です。見かけた時にはぜひ意識してあげてください。

こんなアイテムを身につけている犬には配慮を

配慮が必要な犬のリードにつけられているのは黄色いリボンだけではありません。最近は大きめのタグやワッペン、サコッシュなども見かけるようになりました。
タグやワッペンにはメッセージが記載されていることも少なくありません。たとえば分かりやすく「近づかないでください」と書いてあるものや、「治療中です」「トレーニング中です」などの事情説明がされていることもあります。
いずれにせよベースには黄色が使われているため、イエロードッグプロジェクトに参加している犬(イエロードッグ)であることは分かりやすくなっています。リボン以外でも認識できるグッズがついている場合には、イエロードッグが飼い主さんと安心して散歩できるよう、そっと見守ってあげましょう。

なぜ黄色いリボンをしているの? イエロードッグの特徴

黄色いリボンをしているイエロードッグはそれぞれ個々の事情を抱えています。いくつか代表的な事情をご紹介します。
また、このほかにもなんらかの事情で黄色いリボンをつけているイエロードッグもいるかもしれません。見かけた時には「何かあるんだな」と考えることが一番の助けになるでしょう。

健康上に問題を抱えている、治療中である

身体に健康上の問題があったり、手術をしたあとだったりした場合(回復期の場合)、ほかの犬や人に近づいてほしくないときがあります。接近に興奮して激しい動きをすると、体調悪化や手術後の傷口に悪影響が出てしまう可能性が考えられるためです。
仲良しの犬とすれ違っても、イエロードッグのマークをつけているときには遊びを遠慮して、改めて元気に遊べる機会を待ちましょう。その配慮に、飼い主さんもきっと喜んでくれるでしょう。

社会復帰のトレーニング中

なんらかの事情で社会になじむトレーニングが不十分なまま大きくなった犬は、改めてトレーニングが必要になることがあります。また、残念ながら虐待が理由で社会から遠ざかりたがる犬もいます。
そのような犬も社会で快適に暮らせるようにするためには、社会復帰のトレーニングが重要です。トレーニング中はほかの犬や人とうまく関わることが難しいため、イエロードッグは黄色いリボンをつけて外出します。
社会復帰のトレーニング目的で黄色いリボンをつけているイエロードッグは、ほかの犬や人が親しみの気持ちから気軽に近づくと、適切な行動ができない可能性が否定できません。
トラブルの原因になり、どちらも哀しい思いをしてしまうことがあります。社会復帰のトレーニングをしているイエロードッグを見かけたら、心の中で「がんばれ!」と応援してあげてください。

ほかの犬や人間が怖い、過剰反応してしまう

犬の性格はそれぞれで、なかにはほかの犬や人に好奇心を持つあまり、過剰な反応をしてしまう犬もいます。
飛びついたり吠えかかったりなどの行動はトラブルの元になるため、ほかの犬や人から遠ざけておきたいと考える飼い主さんもいるでしょう。そのような場合にもイエロードッグとして黄色いリボンをつけることがあります。
また、その反対のケースもあるでしょう。性格や過去のトラウマから、ほかの犬や人を過剰に怖がる犬もいます。パニックの原因になってしまうため、やはり遠ざけておきたい、そっとしておいてほしいと願う犬や飼い主さんもいることもあると覚えておきましょう。

介助犬のトレーニング中

イエロードッグの中には、介助犬になるためのトレーニングをしている犬もいます。盲導犬、聴導犬をはじめ、セラピードッグなど、訓練を積んだ犬の仕事振りを見て頼もしいと感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
トレーニング中、好意でも声をかけたり飼い犬が交流したがったりすると、イエロードッグの気が散り、訓練の効果が薄れてしまうことがあります。立派な介助犬になれるよう、交流したい気持ちを我慢して、心の中で応援してあげましょう。

愛犬がイエロードッグでは?と感じたら慎重な対応を

イエロードッグの特徴を知り、「もしかすると自分の飼い犬もイエロードッグかも…」という疑問を持つ人もいるかもしれません。確かに、周囲の配慮が必要な行動をする犬がいることも確かです。
しかし、必ずしもイエロードッグであるとは限りません。むしろあらためてしつけをしたり、外部との関わり方を変えてみたりするだけで、今までとは違う前向きな行動になる可能性もあります。

すぐにイエロードッグだと判断する前に、獣医さんやイエロードッグの活動をしている団体などに相談してみることをおすすめします。

少しの配慮でイエロードッグが安心できる環境を!

イエロードッグはさまざまな事情を持った犬たちです。そんな犬たちを支援するイエロードッグプロジェクトは、わたしたちの少しの配慮と協力で大きな効果を発揮することにつながるかもしれません。
犬は社会で人と幸せに暮らせる性質を持った動物です。黄色のリボンをつけた犬を見つけたら、その犬が幸せに暮らせるよう、少しだけ配慮してあげてください。

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知る・学ぶ 2023-11-28

犬の散歩は子供だけでもOK? 大人の付き添いが必要な理由と注意点

子供の成長にともない、「そろそろ愛犬の散歩を任せてみようかな」と考える保護者は多いでしょう。
年齢にもよりますが、子供だけで犬の散歩をすることは危険な一面があり、大人のサポートが望ましいと考えられています。
今回は子供と犬の散歩で注意するべき点や、大人が付き添ったほうがよい理由などについて解説します。

大人が散歩に付き添ったほうがよい理由とは?

子供だけで犬の散歩に行く場合、子供視点では思い付かないようなトラブルの可能性がひそんでいるものです。「うちの子はまだこんなトラブルに対応できそうもない」と考えられるのなら、大人が付き添いましょう。

1.主導権は子供と犬のどちらが握っている?

大人から見た子供と愛犬の関係において、どちらが主導権を握っているかを見極めることはとても重要です。その理由は子供が主導権を握っていない場合、犬が散歩中に勝手な行動をしてしまいかねないからです。犬は「自分に主導権がある」と認識している子供が相手では、「子供が導くコースへ行きたがらない」「リードの合図を無視する」など、言うことを聞かないことによって安全に関わるトラブルが起きてしまう心配があります。
そのため、子供が主導権を握れるようになるまでは、大人が指導しながら一緒に散歩をしたほうが安心です。ご家庭内でも生活での関わり方に注意を配り、子供と愛犬が上手な関係を築けているかを見極めましょう。

2.子供の力は犬よりも強い?

しっかりとしつけされている賢い愛犬でも、散歩中に人や物とぶつかりそうになったり、他の犬に吠えられてしまったりすることがあれば、驚いて暴れる可能性は否定できません。
その際、子供の力で愛犬の行動を制御できるでしょうか。もし制御できなければ重大な事故につながってしまう恐れも考えられます。犬種によっては大人でも制御に苦労するほどです。
格闘家のような筋力が必要とまでは言いませんが、最低限、愛犬の動きを制御する力を持っていることが望ましいでしょう。

3.お散歩マナーを理解して実践できる?

犬の散歩にはさまざまなルールやマナーがあります。リードをつけた犬と歩けばOKというわけにはいきません。
たとえば愛犬が排泄をしたとき、始末をせずに立ち去ることは重大なマナー違反です。地域の環境にも関わります。また、犬友達との挨拶は円滑な人間関係や愛犬同士の穏やかな交流に欠かせません。
子供でもそのようなルールやマナーを理解し、実践できるように教えてあげて下さい。「子供だから多少できなくても多めに見てほしい」ではなく、「子供だからこそ今から教えておかなくては」と考えましょう。最初は完璧にできなくても、保護者と一緒に練習を重ねるうちに、立派な飼い主に成長するはずです。

大人が散歩に連れて行けないときだけでもダメ?

急な仕事や体調不良で、いつも散歩を担当する大人が出かけられない日もあるでしょう。「散歩は毎日行かせたいし、今日だけは子供に…」と考える人がいるかもしれません。気持ちは分かりますが、そんな日は散歩をお休みにして下さい。
「犬の散歩は毎日しなければ!」という考えも間違いではありません。散歩は愛犬の健康管理やストレス解消にとても役立ちます。かといって、子供だけで散歩に行かせることは、前述のとおり危険が伴いがちです。愛犬と子供のために思い切って散歩をお休みする勇気も必要ではないでしょうか。

散歩をお休みした日は、その代わりに愛犬と思い切り家の中で遊んであげたり、普段より広い行動スペースを作って歩き回らせてあげたりしてみるのも良い方法です。
大人が対応する時間がない場合は、子供に「一緒に遊んであげて」「歩くスペースを作って見守ってあげて」とお手伝いをしてもらうこともおすすめです。犬との関係を深める絶好の機会にもなります。

もし外でしかトイレをしない犬なら、ベランダや庭先に外と似た環境を作ってみましょう。また、いざというときに備え、室内でトイレができる「おうちトイレ」の練習も役立ちます。

子供に愛犬の散歩を任せる準備や練習を

今はまだ安心できなくても、子供がもっと成長すればいずれ安心して愛犬の散歩を任せられるようになります。その時を楽しみに、犬の散歩に必要なマナーや行動を練習させることもおすすめです。
次にご紹介する5つのポイントは特に意識しておきましょう。

愛犬と確実な意思疎通ができる関係に

保護者が決めた散歩コースから外れずに適切なペースで歩くことは、安全な散歩に欠かせない条件です。そのためには、子供と愛犬がしっかりと意思疎通できる関係性を築く必要があります。
「犬が行きたがっても違う道へ行かない」「引っ張られても従わない」「保護者が教えたルールを愛犬と一緒に守りながら歩く」などの約束を作り、実現できるような関係性が築ければ安心感が増すでしょう。最初は保護者も一緒に散歩をし、散歩中の愛犬の挙動や指示の出し方などを見せてあげると理解しやすいはずです。

集中力を身に付ける

子供はしっかり成長したと思っても、まだまだ好奇心が旺盛です。散歩中、目を引かれたものに集中力を奪われ、リードのコントロールや愛犬の挙動への配慮がおろそかになってしまう可能性があります。その場合、思わぬ事故やトラブルにつながりがちです。
「まだ集中力が足りない」「スマホに夢中になりながら歩いてしまいそう」という心配があるうちは、保護者も一緒に散歩へ行き、注意を払った方が安心でしょう。

散歩コースを覚える

単純なことですが、重要なことでもあります。保護者が決めた散歩コースを覚えないまま子供だけで散歩へ出ると、迷子になってしまったり、普段とは違う環境で愛犬が興奮したり、逆に脅えてしまったりする可能性があります。
子供だけでは対処が難しい状態になることも考えられるため、散歩コースは必ず覚えてもらい、守らせるように指導しましょう。

犬同士、飼い主同士のマナーを学ぶ

散歩中、ご近所の犬と飼い主に会うことは少なくありません。飼い主とは挨拶をし、犬同士が遊べそうであれば遊ばせるなどのマナーやルールを教えましょう。
思春期の子供は挨拶を恥ずかしがり、早足で立ち去ろうとするかもしれません。しかし、それは社会的なマナーとして失礼であることや、よその犬と遊びたい愛犬ががっかりすることなども説明しておきましょう。
分かっていても素っ気ない態度を取ってしまいそうなら、誤解されないよう先に保護者がご近所の人に説明しておくと良いかもしれませんね。

排泄物の処理を覚える

大小関わらず、トイレの処理方法を覚えてもらいましょう。排泄物に慣れていない子供は怯むかもしれませんが、飼い主が避けて通れない責任のひとつです。
最初は上手にできないとしても、慣れればきっとスムーズに処理できるはず。見守りながら上達を待ちましょう。お家で愛犬のトイレ掃除を担当してもらい、排泄物への抵抗感をなくしていく方法もおすすめです。

まずは大人の付き添いを! 子供の成長も楽しんで

まずは大人の付き添いを! 子供の成長も楽しんで
慣れていない子供だけでの犬の散歩はおすすめできません。まずは大人がリードを持ち、どのように散歩をしているのかを見せながら教えてあげましょう。その過程で散歩中の注意点やマナー、ルールなどを学んでいけるはずです。
子供は愛犬の散歩を通し、安全な散歩の仕方をはじめ、社会的なマナーやルールなどを学ぶことでしょう。散歩は愛犬の健康管理に大切ですが、子供の成長の機会にもなります。その姿を楽しみつつ、必要なときはサポートしてあげて下さい。

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知る・学ぶ 2023-10-23

セラピードッグは何をするの? 人々の生活と心に寄り添う犬たち

セラピードッグは身体や心に病気を持つ人々、障がいを持つ人々に寄り添う犬のことです。ふれあいを通して癒やしや勇気をもたらし、ときには回復に好影響を与えます。
今回は、人間たちを大きな愛情で支えてくれるセラピードッグについて詳しくご紹介します。

ドッグセラピーで活躍するセラピードッグ

ドッグセラピーとは、動物を使った治療方法「アニマルセラピー」のひとつです。ドッグセラピーで活躍する犬を「セラピードッグ」といい、ふれあいによって対象の人々に安心感や癒しを与え、現状の改善に役立てる仕事を持っています。

セラピードッグは高度な訓練を受け、一般的な犬とは違うスキルを身に付けて人間に貢献してくれる貴重な存在です。高齢者施設や病院、ホスピス、心身障がい者の入所施設や児童施設、教育現場で人々の心身に好影響を与えるほか、刑務所で服役囚の社会復帰の一助になったり、被災地で人々の心を支えたりするなど、幅広い活動をしています。

犬とふれあうだけで何が変わるの?

たとえば、あなたが仕事や学校でつらいことがあった日を想像してください。落ち込んで家に帰ったとき、愛犬があなたを見て喜び、しっぽを振って迎えてくれたらどれほど癒やされることでしょうか。
犬にはそんな癒しの力があります。セラピードッグは飼い主だけではなく、多くの人々と安全にふれあえるスキルを身に付け、同じように癒やしや元気をもたらすのです。

セラピードッグは具体的にどんな効果があるの?

セラピードッグは人々に癒やしや元気をもたらすだけではなく、心身の成長やマイナス状態からの改善、ときには病状の回復に好影響を与えます。

心身の成長

セラピードッグは学校や児童養護施設を訪問することがあります。はじめは犬とふれあえなかった子どもたちも、回数を重ねるうちにふれあえるようになったり、笑顔を見せるようになったという報告があります。
また、参加した児童や生徒たち同士の関係がセラピードッグを通して深まることも期待できます。

認知症状や抑うつ症状への好影響

セラピードッグとのふれあいは、認知症状や抑うつ症状に好影響を与えるといわれています。ふれあいにより心の安定やストレス解消が促進されるそうです。
科学的な根拠はないとのことなのですが、ペットを飼っている人なら癒やされた経験から「ありえる」と思えるのではないでしょうか。

機能回復への好影響

セラピードッグがリハビリをサポートすることにより、記憶を取り戻したり、機能がおとろえていた手足が回復したりすることもあります。
セラピードッグが寄り添ったからといって必ずしもその効果が出るわけではありませんが、「もっとふれあいたい」「お世話をしたい」という心が身体機能に好影響を与える可能性は否定できないでしょう。

コミュニケーションの充実

セラピードッグが刺激になり、コミュニケーションが円滑になることがあります。
たとえば毎日それほど大きな変化のないケア施設では、高齢者の生活が単調になりがちです。刺激の少ない生活では表情や会話が少なくなってしまいがちですが、セラピードッグとのふれあいがきっかけでほかの入所者と会話が弾んだり、表情が豊かになることが期待できます。

どんな犬がセラピードッグになるの? その方法は?

セラピードッグになれる犬種や方法などについては、あまり知られていません。もしも興味を持ったかたはぜひ参考になさってください。

セラピードッグの犬種はとくに決められていない

セラピードッグになれる犬種に制限はありません。犬種よりも以下のような性格が重視されます。

・穏やかで人間が好き
・人見知りをしない
・大きな音や見知らぬ場所でも落ち着いていられる

このような性格であり、基本的なしつけがされていれば、多くの犬がセラピードッグの候補になれます。

必要な資格

セラピードッグになるために、国家資格はとくに設けられていません。しかし、セラピードッグを輩出する各NPOが設けた試験をクリアしなければ登録ができないとしている団体も少なくありません。
愛犬を本格的にセラピードッグとして活躍させたいのであれば、登録したいNPOが指定する認定試験を受けたほうがよいでしょう。

訓練内容

訓練は一般的なしつけに加え、以下のような点が重視されます。

・人の膝の上で落ち着いていられるか
・無駄吠えをしないか
・おもちゃやエサを見て興奮しないか
・ほかの犬を見て興奮しないか
・飛びつき癖、突進癖がないか
・セラピードッグの仕事を楽しめそうか

個々に犬の得意分野を伸ばしつつ、苦手分野を克服する訓練方法が必要です。個人で訓練するよりも、NPOなどが提供する専門的な訓練を受けたほうが安心だと考える場合には、対応している団体への連絡をおすすめします。

人々をよりよい方向へ導いてくれるセラピードッグ

人々をよりよい方向へ導いてくれるセラピードッグ
無償の愛を向けてくれるセラピードッグたちは多くの人々を助けてくれます。心身の成長、社会性の促進などの効果もあり、最近は需要が高まるようになりました。どこかでふれあう機会があったときには「ありがとう」と伝えてあげてください。きっと喜んでくれるはずです。

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