「知る・学ぶ」 の記事一覧

Read More

知る・学ぶ 2023-04-28

早く見つけたい! ペットが失踪したときにやるべきことは?

ペットが行方不明になった!心配でたまりませんよね。そんなときにはどうするべきでしょうか。
家を出てしまったペットを探す方法を知っておけば、すぐに対処できます。できるだけ早く見つけてあげられるよう、いざというときにするべきことをご紹介します。

もしもペットがいなくなったら? すぐにするべき飼い主の行動

ペットの失踪に気づいたら、すぐに行動をはじめましょう。心配でたまらなくても、まずは深呼吸して落ち着いてくださいね。

1.近所を探す

ペットの種類にもよりますが、それほど遠くまで行っていないことがあります。そのような場合は近所で見つかる可能性があるため、最初は家の近所を探します。
ご近所付き合いがあればペットが失踪したことを話しておきましょう。ペットの種類、外見の特徴、名前を伝えます。見かけたり保護してくれたりした場合にそなえ、連絡先も教えておくとよいでしょう。
もし可能であれば捜索用のポスターを作り、人目につく場所へ貼らせてもらいましょう。貼ってよい場所を自治体に確認しておくと安心です。
自治体によっては失踪したペットを探すためのポスターを無料で作成できることもあります。貼ってよい場所の確認とともに、そのような制度があるか確認しましょう。
ただ、ポスターに「報酬あります」と記載するのは避けたほうが賢明です。金銭が絡むとトラブルになりやすいためです。お礼をしたいのなら、見つけてもらったときに報酬についてお話しすることをおすすめします。

2.警察へ連絡して遺失物届を出す

警察に連絡し、遺失物届を出します。ペットを保護した人が警察に連れて行ってくれている可能性があるためです。遺失物届を出しておけば、該当するペットが警察で保護された場合に教えてもらえます。
遺失物届を出すときには、できればペットの写真も持って行きましょう。

3.動物に関わる窓口すべてに連絡する

失踪したペットの情報は警察以外にも集まることがあります。警察に遺失物届を出すのと同時に、以下の場所にも連絡してください。

・自治体の動物保護センター・動物愛護センター

各自治体には動物保護センター(または動物愛護センター)が設置されています。保護されたペットが行く可能性が高い保健所や民間の動物愛護団体と連携しているため、情報が集まりやすい場所です。

・保健所

飼い主不明の動物が保護されています。迷子届が出せますので、必ず出しておきましょう。

・区役所・市役所・清掃局

ペットが事故に遭っていた場合、役所と清掃局が対応するケースが多いため、万一のことを考えて連絡しておきましょう。

・動物病院・動物愛護団体

迷子のペットを保護した人が連れて行ってくれていることがあります。もしも見つけてくれた人がいたら心からお礼をお伝えしたいですね。
マイクロチップを装着しているペットなら、動物病院や動物保護センターで飼い主の情報が確認できます。連絡が来る可能性が高くなりますよ。

4.ペット探偵に依頼する

お金がかかりますが、ペット捜索を得意にしているペット探偵に依頼するのもひとつの方法です。料金は業者によって異なります。

迷子のペットを保護したら? 可能なら協力しよう

もしもあなたが迷子のペットを保護して「お家に帰してあげたい」と思ったのなら、できる範囲で協力してあげてください。そのときには次の手順がおすすめです。

1.保護するときに注意すること

迷子になったペットは、不安や恐怖で神経質になっていることが少なくありません。普段は穏やかで人懐こい性格でも、緊張して攻撃的になっていたり、人間の接触を嫌がって逃走したりする可能性があります。
場合によっては保護するときに攻撃されることが考えられるため、近寄るときには十分に注意してください。自分では難しいと感じたのなら、保健所や動物愛護団体などに連絡するのもよい方法です。

2.情報を確認する

保護したペットは飼い主の情報を身につけているケースがあります。首輪をしている犬や猫なら、そのなかに飼い主の連絡先が書いてあるかもしれません。もし書いてあればぜひ連絡してあげてください。
首輪のほか、脚輪、耳標、タトゥーなど、何らかの情報が分かるものを身につけていることもあります。飼い主の情報が書かれていなくても、該当の動物協会に登録されている可能性が考えられます。可能であれば協会を調べ、連絡してみてください。

3.マイクロチップがあれば動物病院で確認を

令和4年6月1日から、ブリーダーやペットショップから迎えた飼い犬・飼い猫にはマイクロチップの装着が義務付けられています。マイクロチップには飼い主の情報も登録されているため、連絡が容易になります。
保護したペットが犬や猫ならマイクロチップを装着しているかもしれません。動物病院や動物保護センターで確認してみてください。

4.情報がなければ各窓口へ連絡を

飼い主の情報が分かるものが何もなければ、対応する各窓口へ連絡しましょう。自治体の動物保護センター、動物愛護センター、保健所などが該当します。

なぜ家を出たの? 考えられる原因とは

「家のドアや窓を開けっぱなしにしておいたから」「犬の散歩中に首輪が抜けてしまった」など、ペットが失踪してしまう原因は複数考えられます。そういった物理的な原因が多いのですが、なかには「試し行為」というものもあるそうです。

ペットも愛情を確認したい? 「試し行為」で失踪することも

試し行為というと、小さな子どもが親の愛情を確認したくてわがままな行動をするようなことを想像しますよね。じつは一部の動物にもあるというのですから驚きです。
とくに理由もなく怒りだした様子を見せたり、楽しく一緒に遊んでいたのに突然おもちゃを投げ捨てたり…など、普段とは違う行動をして飼い主の対応を観察するのであれば、試し行為である可能性が高いと考えられます。
試し行為のなかには「家から出て行ってしまう」というものもあるとのこと。追いかけてきてくれる?探してくれる?と思いながら外へ出る姿を想像すると、いじらしくてたまらなくなりますね。

とはいえ、それで失踪されては大変です。ペットによっては帰り道が分からなくなり、本当に迷子になってしまう場合もあります。早く見つけて思い切り抱き締めてあげましょう。

「何かに夢中になってついうっかり」という場合も

好奇心旺盛なペットなら、家の外にあるものや通りがかる生き物に興味を示すことでしょう。ペットの失踪に好奇心の強さも関係する場合が少なくありません。
見かけた生き物や車などに興味を示し、ついつい追いかけて、気づけばうっかり家から遠くまで…ということもあるそうです。そして帰り道が分からず、迷子になってしまうわけですね。
できれば家の敷地内から出られない対策をして、迷子になるのを防いであげましょう。

失踪に気づいたらすぐ行動を! 早く見つけてあげよう

失踪に気づいたらすぐ行動を! 早く見つけてあげよう
ペットが失踪した場合、スピーディーな行動が必要です。近所の捜索をはじめ、連絡できる窓口にはすべてアクセスし、可能な限り早く見つけてあげましょう。
不必要に家から出ないようにしたり、万一失踪してしまったときのために連絡先が分かるものを身につけさせたりなどの対策も効果的です。大切なペットを迷子にしないよう、できる範囲で対策していきましょう。

Read More

知る・学ぶ 2023-04-21

知っておきたい! 身近なことからできる動物愛護

動物が好きな人のなかには、動物愛護に関心を寄せる人が少なくありません。ペットを飼っていても飼っていなくても、愛する動物の尊厳を守りたいと考えるでしょう。
動物愛護は人間と動物の関係を深める大切な考え方です。

今回は動物愛護の概要や、身近なことからはじめられる動物愛護活動についてご紹介します。

生物多様性の中で育まれた人間と動物の関係

動物愛護は生物多様性と深く関わっています。40億年もの地球の長い歴史のなか、生命の誕生から現代まで、人間を含めた多くの動物などが進化しながらつながりを持ってきました。それぞれの生物が多様で豊かな個性を持ち、いまの社会を作り上げています。
生物多様性が生み出したつながりのなかでも、人間と動物の関係は深いものです。3万年前にはホラアナグマの飼育が行われ、犬(オオカミ)の家畜化が始まった形跡があるほど、長い時間を身近な関係で過ごしています。

人間は食料や働き手として動物と関わるだけではなく、信頼できるパートナー、ペットとしても動物とともに歴史を積み重ねてきました。それは現代社会でも変わることなく受け継がれています。
人間社会が豊かになり、さまざまな考えが生まれることによって、動物に対する見方も変わってきました。動物愛護はその一環です。「動物の尊厳を守ろう」という考えを持つ人々が増えたのです。

犬や猫、さまざまな動物の生命を尊厳への配慮

残念ながら、動物に対してひどい仕打ちをする人は存在します。しかし彼らとは逆に動物を愛し、動物の生命や尊厳を守り、安心した暮らしをさせてあげたいと思う人も多いのが事実です。
そんな人々が動物愛護精神を持ち、さまざまな活動をしています。ペットを大切にする人、望ましくない環境で過ごす動物を保護する人など、動物を愛する人たちはそれぞれの立場でできることをする時代になりました。

現代のペットへの考え方

一般社団法人ペットフード協会の「令和3年 全国犬猫飼育実態調査」によると、調査対象2,000世帯のうち、犬を飼っているのは53.0%、猫を飼っているのは40.3%にのぼりました。
ペットを飼う理由として「生活に喜びを与えてくれる」が多く、生活に欠かせない存在として大切にしている背景がうかがえます。

新しくペットとして犬や猫などを迎え入れた人も少なくありません。ここで注目したいのは、ペットを探す方法の第2位が「インターネットの里親募集を見る」であることです。
日本ではペットショップやブリーダーからペットを迎えられます。しかし、あえて里親を求めるペットを選ぶ飼育希望者の意識は、動物愛護につながる行動ではないでしょうか。里親募集が広く知られるようになった現代ならではの考え方かもしれませんね。
もちろん、ペットショップやブリーダーを通して迎え入れることにも問題はありません。むしろそのような橋渡しをするプロの人々こそが動物愛護に詳しく、また、熱心でしょう。ペットの尊厳と生命を守りながら、新しい飼い主に出会うまで大切に保護する人々がほとんどです。

日本で注目される動物愛護

動物愛護の精神は法律にも影響をおよぼしています。日本では2000年に環境省の主導で「動物愛護管理法」が施行されました。動物愛護管理法では以下の理念と目的が明示されています。

・生命への感謝と畏敬の念を持ち、動物を取り扱うこと
・国民が動物を愛護する気風を構築し、生命の尊重、友愛、平和に対する気持ちを育むこと

この理念や考えをもとに動物愛護を進め、とくに動物虐待を防ぐために機能する法律です。定められた項目を遵守するよう、都道府県では動物愛護団体との連携を行うケースが増えました。国も動物愛護団体の育成に乗り出しています。
各自治体には自治体が運営する動物保護センターが設置されました。諸事情で一緒に暮らせなくなった人からペットを引き取ったり、迷い犬や迷い猫を収容・保護したりと業務は多分野にわたります。保護した犬や猫の譲渡会も業務のひとつです。
さらに、環境省では「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」も発足しました。殺処分ゼロを目指し、人と動物が幸せに共生できる社会を作ろうとしています。

しかし、どの業務もマンパワーが不足している状態です。行政だけでは対応しきれないのも事実です。そこで各自治体は動物愛護団体と連携し、保護活動や動物愛護の啓発を進めています。
お住まいの自治体にも、動物保護センター主催の譲渡会や動物愛護団体の活動があるかもしれません。もしも見かけることがあれば、保護された動物たちの幸せを願ってあげてくださいね。

世界の動物愛護はもっと進んでいる!

世界でも動物愛護は盛んです。日本より進んでいる国もあり、人間から動物への愛情、生命と尊厳を尊重したい気持ちに国境はないのだと実感させられます。

動物保護に関して、世界でもっとも厳しい法律を定めているのはスイスです。たとえば、尊厳が守られる対象には食料になる家畜や魚類も含まれています。残酷な方法で処理をしてはいけない、輸送時間の上限が定められているなど、じつに細かい規定です。
動物実験も非常に厳しい規制があります。あらゆる動物実験(人体実験含む)を禁止するべきだという声は根強く、何度も国民投票がおこなわれているほどです。
ほかにも詳細な規定が定められています。スイスの人々がいかに動物愛護に関心を持ち、幸せに暮らせることに関心を持っているかがよく分かりますね。

スイスのほかにはドイツやイギリスが有名です。どちらの国も動物愛護に関する法律を制定し、その数の多さや厳しさは日本をはるかに超えるのだそうですよ。とくにイギリスは世界最古の動物福祉協会があり、世界に先駆けて動物愛護に着手した国でもあります。

わたしたちにできる動物愛護

動物愛護活動をしたくても、実際に何をすればよいのか…と思う人もいるかもしれません。仕事や家庭が忙しく、思ったように活動しづらい可能性もあります。まずは身近でできることからはじめてみませんか?

動物愛護団体に寄付する

動物愛護団体の多くは、活動資金に恵まれているわけではありません。寄付があれば大きな助けになるでしょう。無理に大金を用意する必要はなく、できる範囲で気持ちを寄付すれば十分な力になります。

動物保護センターや動物愛護団体に支援物資を送る

保護されている動物たちが使える物資を送るのもよい方法です。エサや日用品、消耗品など、無理をせずに用意できるものがあれば送ってみましょう。事前に送り先に「何が必要ですか?」と確認してみると、そのときに必要なものが送れるのでおすすめです。

自分のペットを適切にお世話する

一緒に暮らしているペットを迷子にしない、不適切な環境に置かない、しつけをきちんとする…。「そんなこと当たり前でしょう」と思うかもしれませんが、これらも大切で、かつ、重要な動物愛護です。
清潔な環境で迷子にならずに暮らすだけで、動物保護センターや動物愛護団体に保護される可能性が減ります。しつけができれば社会で快適に暮らしやすくなるでしょう。
そんなあなたのペットを見て、これからペットを飼おうとしている人が「あれがよい飼い方だ、自分も見習おう」と考えるかもしれません。とても重要な動物愛護活動です。

動物愛護は動物と楽しく幸せに共生できる社会を作る

動物愛護は動物と楽しく幸せに共生できる社会を作る
動物愛護は決して難しい考え方ではありません。活動も難しく考えず、できることからはじめましょう。
いまペットと一緒に暮らしている人は、これからも愛情を持ってお世話しましょう。飼っていなくても動物が好きな人は、触れあうときにたっぷりの愛情を注いであげてください。それも立派な動物愛護活動です。

Read More

知る・学ぶ 2023-03-27

信じていいの? 動物にまつわる迷信のウソホント

日本や世界には動物にまつわる迷信が数多くあります。なかには動物が好きな人にとって、「ウソなの?ホントなの?」と思うような迷信もあり、気になるところですよね。

今回は動物にまつわる有名な迷信や、そのなかで実際に注意したほうがよい迷信についてご紹介します。

どうして迷信が生まれるの? よい結果を待ちたい希望のあらわれ

なぜ迷信が生まれるのでしょうか?迷信を聞くと「そんなの理屈に合わない、きっとウソ…でも少し不安になっちゃう」と思うものも多いですよね。

心理学的に、迷信は「○○したからよいことが起こると信じたい気持ち」から生まれるという説があります。

人それぞれの習慣や、事象が起きたタイミングが積み重なることにより、いつしか「○○したから…」という意識につながったのかもしれませんね。

動物にまつわる迷信は? 信じたくなるものもある!

迷信は数え切れないほど多くあります。動物にまつわる迷信も少なくありません。
縁起がよい迷信、悪い迷信、思わず信じたくなってしまう迷信など、いろいろな迷信について見てみましょう。

黒猫は縁起が「よい」「悪い」に分かれる不思議な動物

「黒猫は縁起がよい」「黒猫は縁起が悪い」。どちらも迷信としてよく聞く説ではないでしょうか。
よい、悪いが混ざっているため、猫好きにとっては「どっちなの?」と穏やかではない気持ちになってしまう迷信かもしれませんね。

日本では「縁起がよい」として愛されています。特に商売をする人にとっては注目される動物です。
商売繁盛と言えば招き猫ですよね。白の招き猫だけではなく、黒の招き猫も見かけませんか?日本は黒猫も幸福を呼ぶ動物だと考えられています。
江戸時代からは「黒猫を飼うと結核が治る」という迷信も広がりました。当時の結核は死の病です。黒猫はそんな重病を退ける力があると信じられていていました。
また、有名な文学作品「吾輩は猫である」のモデルは黒猫だったそうですよ。日本では思った以上に黒猫が重宝されていたようです。
イギリスでは「家に黒猫が来ると縁起がよい」、フランスでは「黒猫を大切にすると幸福がおとずれる」と言われているそうです。黒猫は世界のあちこちで愛されているようですね。

一方、黒猫は縁起が悪いと言われる地域もあります。「黒猫が横切ると不幸なことが起こる」という迷信を聞いたことがあるかもしれません。
この迷信はヨーロッパで生まれたと考えられています。暗闇で光る目が怖いと思われたり、中世の魔女狩りを思い出させたりなど、いろいろな理由があるようです。
地域によって印象が変わるのは興味深いことですね。

「蛇の夢を見たらお金持ちになれる」

蛇の夢は吉兆だと言われています。特に黄色の蛇の場合、お金関係でよいことが起こるそうです。本当かどうかは不明ですが、本当であってほしいと思う迷信かもしれませんね。
ほかにも蛇の夢はさまざまな解釈があります。代表的な解釈は「白い蛇は仕事や健康によい」「黒い蛇は縁起が悪い」など、色によるものです。夢に出たらぜひ色を覚えておいてください。

「カラスが夜に鳴くのは不幸の前兆」

夜中や早朝にカラスの鳴き声が聞こえると、「まさか不吉なことが…」と思うかもしれません。カラスは身体が真っ黒なことから、不吉だと感じる人が多いようです。
ところが、生物学的にはあまり関係がないと考えられています。というのも、カラスはもともと早起きで、なんと午前0時には目が覚めているのだとか。深夜の鳴き声は彼らにとって朝の挨拶かもしれませんね。
さらに人間が出す早朝のごみからエサを探すのも関係しています。仲間たちに「ここにエサがあるぞ!」と鳴いて知らせているそうです。
ほかにも危険が迫れば鳴いて知らせたり、カラスを狙うほかの動物を威嚇したりと、賢く強い鳥ならではの行動が迷信につながったのでしょう。

「ウサギはニンジンが大好き」

ウサギはニンジンが大好きなのか?と言うと、実際はそれほどでもないのだとか。もちろんニンジンを好むウサギもいますが、好き嫌いは人間と同様に個体差に左右されます。
迷信が生まれたのはニンジンを美味しそうに食べるウサギの絵本「ピーターラビット」の影響もありそうです。もしあなたが飼っているウサギがニンジンを好むなら、ピーターラビットのように可愛らしく食べる姿を楽しんでくださいね。

注意したい迷信も! ペットの様子に気を付けて

ほかにも動物にまつわる迷信は数多くあります。なかには迷信とは言い切れないものがあるため、ペットを飼っている人は注意が必要です。

「犬や猫の怪我は舐めれば治せる」

怪我をした犬や猫は、よく傷口を舐める仕草を見せます。「舐めれば治る」と思われるようになった理由のひとつはそのためでしょう。
しかし実際はあまり効果がありません。逆に舐めることで傷口を広げてしまったり、深くしてしまったりすることもあり、深刻な状態になってしまう恐れがあります。とくに猫の舌はざらついているため、傷口に大きなダメージを与えてしまいかねません。
もしも飼い犬や飼い猫たちが傷口を舐めるような仕草を繰り返していたら、早めに動物病院に連れて行ってあげましょう。

「猫はイカを食べると腰が抜ける」

こちらも注意したい迷信です。たった1度イカを食べただけで腰が抜けるわけではありませんが、大量に食べ続けるとそのような状態になってしまうかもしれません。
イカはカルシウムが不足しています。そればかりではなく、骨から強度を奪いがちなリンが多く含まれている食べ物です。イカばかりを大量に食べ続けると骨が弱ってしまい、足腰に悪影響が出る可能性が高くなるということですね。
猫にイカを与えてはいけない、というわけではなく、過剰に与えてはいけないと考えましょう。普段はキャットフードや猫用のおやつをあげて、イカはたまのお楽しみにするとよさそうですね。人間もペットもバランスのよい食生活が一番です。

「ウサギはさびしいと死んでしまう」

結論から言うと、ウサギはさびしさが理由で死ぬことはありません。もともとウサギは1匹で飼っていても健康的に生きられます。
この迷信の「さびしさ」は「ストレス」が転じたものだと考えられます。ウサギはストレスに弱い動物です。飼育環境の衛生面が悪い、近所で騒音が多いなど、ストレスが積み重なって体調を崩すことがあります。
体調を崩すばかりではなく、最悪の場合は死んでしまう可能性も否定できません。
ストレスはどんな動物にとっても悪影響ですが、ストレス耐性が低いウサギにはさらにつらいものに感じられるでしょう。少しでもストレスが軽減されるよう、環境に気を配ってあげたいですね。

明るい迷信を楽しんで! 注意したい迷信はペットのケアで参考に

明るい迷信を楽しんで! 注意したい迷信はペットのケアで参考に
迷信が生まれた時代や理由を調べてみると、思った以上に新しい発見があります。同じ動物でも地域によって正反対の意味になっていることがあり、意外な気持ちになりそうですよね。
また、迷信のなかにはペットのケアに大切な情報が隠れていることも。大切なペットと楽しく長く暮らすためにも、関係がありそうな迷信は調べてみるといいかもしれません。

今回ご紹介した迷信のほかにも、動物にまつわる迷信はたくさんあります。何か気になるものがあればぜひ調べて楽しんでみてください。

Read More

知る・学ぶ 2023-02-27

ハイエナの生態や特徴は? 意外な一面や性格について

皆さんは、ハイエナにどんなイメージを持っていますか?
有名映画などでは悪役として登場したこともあり、獲物を横取りする「厄介な動物」とイメージしている方もいらっしゃいますが、実際のところどんな動物なのでしょう。

今回は、誤解されがちなハイエナの種類や生息地から、食生活、繁殖などの生態や特徴をお伝えします。

ハイエナの種類は4種類

ハイエナ科は「食肉目ハイエナ科」に属します。
ハクビシンなどが属する「ジャコウネコ科」から進化したと考えられていて、見た目は犬に似ていますが分類としてはジャコウネコに近いとされています。

ハイエナには現在下記の4種が存在します。

ブチハイエナ

黄土色の体毛に黒い斑点があることから、ブチハイエナと名づけられ、または「マダラハイエナ」とも呼ばれます。
ハイエナのなかでは最大種で、体長1.6メートル、体重80キログラム以上になることもあります。
サハラ砂漠以南のアフリカに広く生息していて、サバンナ、森林、山岳地帯など様々な場所で観察されています。
生息数は約3万〜5万頭といわれていますが、西アフリカや東アフリカでは人間との衝突により多くのハイエナが死亡しているため、全体の個体数は減少傾向にあります。
日本で飼育されているハイエナの多くは、このブチハイエナです。

シマハイエナ

クリーム色の毛に黒い縞模様があるハイエナで、背中には立派なたてがみが生えていて「タテガミハイエナ」とも呼ばれています。
体長は1m、体重は50kgほどで、ブチハイエナに次いで2番目に大きいハイエナです。サハラ砂漠以北、中東、インドに生息し、草原や茂みを好み、人里近くでも観察されています。
生息数は約1万頭で、人間との接触や食料不足により、シマハイエナの数は減少の一途をたどっているため、将来的には絶滅の危機に瀕しているようです。
日本でシマハイエナを展示している施設はほとんどありません。

ブラウンハイエナ

ブラウンハイエナは、以前はシマハイエナと同属でしたが2006年に独立した属となりました。
ブラウンハイエナは茶色い体色をしていて、「カッショクハイエナ」とも呼ばれます。
長い毛に覆われ四肢に縞模様があり、体長は約1m、体重は約40kgの細身のハイエナです。
アフリカ南部の砂漠や雑木林などの乾燥地帯に約7,000頭が生息し、その約半数がボツワナに住んでいるようです。
個体数は維持されているものの、IUCNレッドリストでは絶滅危惧種(準絶滅危惧)に格付けされ、日本では飼育されていません。

アードウルフ

アードウルフは別名「ツチオオカミ」と呼ばれ、オオカミという名前が付いていますがハイエナの仲間です。シマハイエナ同様にクリーム色の毛で覆われ、体や手足に黒い縞模様があります。
体長は80cm、体重は10kgほどで、ハイエナの中では最も小さい種類です。
アードウルフの最大の特徴は、肉食性ですがシロアリを食べる点です。
長い舌で舐めたり噛んだりすることがほとんどないためか、とても小さな顔をしているので強靭な顎を持つ野生のハイエナのイメージとは程遠い見た目をしています。
アードウルフはアフリカの東部と南部の草原や雑木林の保護区に生息しており、日本では飼育されていません。

ハイエナの生態と特徴

4種類のハイエナにはそれぞれ特徴や生態が異なりますが、ここでは日本で最も一般的なハイエナの種類である「ブチハイエナ」について詳しく解説します。

ハイエナはメスの方が強い

ハイエナは単体でも群れでも活動し、昼間は茂みや巣穴で休み、夜になると活動を始めます。
ハイエナのメスは男性ホルモンの濃度が高く、メスの方が大きく成長します。また、外陰部はオスの生殖器に似ており、仮性陰嚢も持っているのが特徴です。
一族のリーダーはメスで自分の群れを守らなければならないため、戦うためには攻撃的な強さと体格が必要です。
ハイエナの外陰部は攻撃性の表れと考えられていて、リーダー以外のメスもオスに対して支配的です。

リーダーとは直接関係のないメスのハイエナは、一生同じ群れにとどまり、協力し合います。
「クラン」と呼ばれるメス同士の社会集団を形成し、10種類以上の鳴き声を使い、互いにコミュニケーションをとっており、1つのクランには20~30頭、多いときは100頭以上のハイエナがいることもあります。
一方、オスは成獣になると一族から外され、別の一族に入りますが、クランに入ったばかりのオスは最下層として扱われてしまいます。
オスは生殖以外には必要ないという立ち位置で、オスにとってはとても厳しい社会なのです。

ハイエナの狩りや食生活

ハイエナはテレビの映像などでは獲物を横取りしたり、他の動物の死骸を漁ったりするシーンが取り上げられがちですが、狩りもします。
基本的には群れで行い、狩りの成功率は60〜70%で、ライオンの30%前後よりも高いと言われています。
ハイエナは目、耳、鼻が優れているため、獲物を探すのが得意かつ体力があるので時速約60kmで獲物を追いかけることができます。

そのため、他の動物から獲物を奪わなくても食には困らず、主にシマウマなどの大型哺乳類や鳥類を捕獲し、食べるものの半分以上は自力で捕獲していると言われています。
動物から獲物を奪うことは、体力を使う狩りよりも効率が良いためで、他の動物の獲物の横取りはハイエナだけでなく、ヒョウやライオンもやっていることです。

顎の強さや消化力

ハイエナの顎は哺乳類の中で最も強く、最強クラスになると450kgにもなると言われていて、硬い肉はもちろん骨をも砕くほど強いものです。
ライオンやトラに比べると体も顔も小さいものの、他の動物が手を出せないようなものを噛み砕く力を持っているのです。
また、強力な消化能力も持っていて、他の肉食動物が獲物の多くを残すのに対し、ハイエナは強力な顎と消化能力で獲物のほとんどを食べ尽くすことができます。
このため、ハイエナは「サバンナの掃除屋」とも呼ばれていて、死骸に群がり腐肉をむさぼる姿はあまり良いイメージではないかもしれませんが、実はハイエナの残飯処理はサバンナをきれいに保つために必要不可欠なのです。

ハイエナの天敵

ハイエナは前述した優れた狩猟技術と強力な顎もあり、サバンナの中でも強さはトップクラスに位置します。
ヒョウやチーターでも、ハイエナを見つけると獲物から逃げ出すことがあるため、ハイエナには敵が少ないのです。

そんなハイエナの敵はライオンです。ライオンとハイエナの生活圏は重なっているため、ライバル関係にあります。
狩りでは、ライオンがハイエナの獲物を取ることもあれば、ハイエナがライオンの獲物を取ることもあります。
ライオンもハイエナ同様に群れで行動しますが、これはハイエナに勝つための対策とも言われています。
つまり、ハイエナの天敵であるライオンも、ハイエナを恐れているのです。

ただ、不用意にライオンの縄張りに侵入すると、捕食されてしまう可能性が高いです。

ハイエナの寿命

ハイエナは3年ほどで大人になります。寿命は20年程度と長く、飼育下では40歳まで生きた例もあります。
ただし、出産時に死亡する確率が高いことでも知られています。
ハイエナの産道は狭く、胎児が通る間に母親の皮膚が裂けてしまい、出産時の傷がもとで死亡することが多いのです。
死産が多いものの、外敵はライオンだけということもありハイエナの幼獣の生存率は高いとされています。

ハイエナの出産と育児

約4ヶ月の妊娠期間を経て一度に平均2頭の子供を産みますが、前述したように母子ともに死亡することもある過酷な出産になります。
メスのハイエナは子供を産んだ後、母乳を2年間も飲ませ続け1日に何時間も一緒に過ごします。
また、同じ群れのメスは協力して子育てをし、産みの親以外のメスも授乳することがあり、育児にはとても熱心なのです。

ぜひ動物園へハイエナを見に行こう!

ぜひ動物園へハイエナを見に行こう
以上、ハイエナの生態について解説しましたが、皆さんのハイエナに対するイメージは変わりましたでしょうか?
ハイエナはネガティブなイメージを持たれがちですが、サバンナで死骸を片付ける働き者でもあるのです。野生のハイエナは凶暴ですが、動物園で見られるものは人間に友好的で、かわいらしい一面もあります。
気になった方はぜひ動物園に足を運んでみて下さいね!

Read More

知る・学ぶ 2023-01-27

川に帰ってくるサケの不思議な生態! 生き物の帰巣本能について

生き物の中には、遠くまで行っても自力で元の場所へ帰ってくることができる種が存在し、これを「帰巣本能」といいます。
では、それらの生き物は、どうやって自分の居場所や元いた場所を知ることができるのでしょうか?

例えば海に出たサケが繁殖する際に、生まれた川に戻ることができるのも帰巣本能のうちの一つです。
そこで今回は、帰巣本能を持つサケの生態についてご紹介します。

サケの生態

テレビなどで、サケの群れが産卵のために川を泳いでいる映像が流れているのを目にしたことがある方も多いのではないのでしょうか。
サケはまず川で生まれ、その後海へわたり2〜6年かけて成長し、また生まれた川へ戻り子孫を残して一生を終えます。

サケは、淡水から海水へ塩分濃度が変化したときに、体内の塩分濃度が変化しないようにエラや腎臓に調節機能が備わっています。
エラから余分な塩分を排出し、腎臓で不足している水分を体内に取り込むことで、海水に適応できるのです。

では、なぜ淡水魚であるサケが海へ回遊する必要があるのかというと「海の方が餌が多いから」という理由があります。
サケは冷たい川で生まれ、そこには食べ物がほとんどなく、さまざまな餌を求めて海へと回遊するのだといわれています。
川ではサケが成長するために必要な栄養を得ることが難しい一方で、海には外敵も多いものの一年を通してプランクトンや小魚介類が豊富に存在します。
その豊富な餌を食べることで、大きく成長し、卵をたくさん産むことができるようになるため、はるばる海まで行ってくるのです。

そして成長し、産卵のために川に戻るのですが、これを「遡上」といいます。これはかなり過酷で、サケの遡上は、生存率が0.5%以下といわれています。
単純計算だと、約200匹に対し1匹しか遡上できない計算になるため、仮に1万匹を海に放流したら川に帰ってくるのは50匹程度です。

残りの9,550匹は、外敵に襲われたり、人間に捕獲されたり、病気にかかったりして戻ってくることができませんが、淡水魚が産んだ卵はその数や質量から海には向かず、海で成魚になる前に死んでしまうものが多いのに対し、川は荒れにくく、海に比べると外敵も多くありません。
特に流れが速くて水深の浅い場所が産卵場所として選ばれやすいことが分かっています。

サケの遡上の成功率が低い理由

川に入ると全く食べない

サケが遡上する際には、途中で何も食べず体内にある栄養分だけを持って産卵場所まで遡上します。
途中で栄養を補給することができないため、遡上するのに時間がかかり、途中でエネルギー切れになってしまうサケも少なくないのです。

雨季に水かさが増した瀬を遡上する

サケは梅雨の時期に遡上を開始しますが、その理由は雨で川の水位が上がらないと上流に行けないためです。
しかし、川の水量が増えるということは流れが激しくなることを意味するので、急流を泳ぎ続ける体力が要求されます。
その場合、浅瀬に取り残され、酸欠や感染症などで死んでしまうこともあるのです。

あらゆる肉食動物に捕食される

前述したように、断食状態で急流を上る過酷な遡上のため、疲れ果ててかなり弱っています。
それを狙い、サケの遡上シーズンになると捕食者たちに命を狙われるのです。
特に地上の動物たちは、食料の乏しい冬を越した後は空腹状態のため、強敵です。

このように絶食し、激流を登り、捕食者から逃れ、やっとの思いで生まれ故郷に戻っても、サケは産卵を終えると死んでしまいます。
たとえ0.5%の確率で産卵に成功したとしても、サケは生き延びることができないのです。

ご存知ない方も多いかもしれませんが、もしサケが死ななければ、森の動物たちだけでなく、自然さえも破壊されてしまう可能性が高いです。
サケが川に戻ってこなくなったら、森の動物たちはエサがなくて死んでしまいます。
そして、森の木々もサケの死骸に含まれる海の栄養分の恩恵を受けられなくなるのです。

サケが生まれた川に帰ることができる理由

サケが遡上する川のことを「母川」と言い、ここに帰ってくることを「母川回帰」といいます。
では、なぜサケは遠い海から生まれた川に帰ってくることができるのでしょうか?

これにはいくつかの仮説がありますが、最近の研究によると、サケの脳の中の器官がコンパスのように磁場を感知して、生まれた川の方向に戻ってくる説が濃厚なようです。
太陽コンパスや磁気コンパスを使っているといわれていますが、広大な海から海岸までどのように戻ってくるのかは、まだはっきりとは明らかになっていません。

海岸に着いた後は、川の匂いで自分の生まれた川を特定するといわれています。
川ごとに植生や地質の違いから水の中のアミノ酸組成が異なり、サケはそれを匂いとして記憶しているようです。

太陽や磁気コンパスを使った実験

ここでは、サケが母川回帰できるといわれている理由となっている説の一つである、太陽コンパスや磁気コンパスを主に鳥に使用した動物実験の一部をご紹介します。

太陽を使った実験

日中に移動するムクドリを使った実験では、太陽から自分の方向を知るというのが明らかになっています。
移動中のムクドリは、晴れた日には首を一定方向に振り、その方向が移動する方向と同じなのに対し、曇りの日には首を振る方向がいつも同じとは限らないようです。

また、鏡を使って違う角度で太陽を見せると、首をかしげる角度もそれに合わせてずれるという実験結果もあります。
さらに、体内時計と照らし合わせて太陽の方向も判断できたようで、この能力は特に伝書鳩に備わっているようです。

目を片方ずつ隠す実験では、「左目」を隠しても特に問題はなくても、「右目」を隠すと帰巣本能が働かない個体もあるとの報告もあります。

星を使った実験

昼間に移動する鳥が太陽の位置で自分の方向を知る一方で、夜間に移動する鳥は星を利用していると考えられています。
夜間移動するムクドリを使った実験では、空が曇っていると頭の向きがおかしくなることがわかっているようです。

また、プラネタリウムでムシクイと呼ばれる鳥を放つと、すべての鳥が一斉に南の方向の空に向かって飛んでいったという実験結果もあり、さらにそのプラネタリウムをゆっくり回転させると、その回転に合わせて動いていったとのことです。
星をどのように使っているかは詳しくはわかっていませんが、星の日周運動をとらえることで方角を把握しているとも考えられています。

磁気を使った実験

地球は棒磁石のようなもので、磁場を形成しています。私たち人間に馴染み深い方位磁石は、地球の磁場を利用して方向を知るための道具ですが、動物たちも地球の磁場が生み出す磁気を自分のコンパスで読み取ることで、曲がるべき方向を知っていると考えられています。
ハトを使った実験では、ハトの頭にコイルを取り付けて飛ばし、周囲の磁場を乱すと、晴れの日は戻ってくるものの、曇りの日は戻ってこられなくなることが分かっています。
ハトが磁気をどこで感知しているのかについては、現在も研究が続けられていて、ワニなどの他の地上生物でも同じような実験結果になった例もあるようです。

生物の帰巣本能はまだまだ謎が多い

生物の帰巣本能はまだまだ謎が多い
生き物が自然の摂理や、地球から発生する磁場を感知し、その感覚を使って移動・帰還をする能力は驚くべきものがあります。
この能力は、今回ご紹介したサケをはじめとした魚類や鳥類、コウモリなど、さまざまな生物で知られていますが、その具体的なメカニズムはまだよく分かっておらず、どの生物でも決定的なものははっきりと見つかっていません。
神秘的な部分ではありますが、今後の実験や研究が進み、謎が解明されることを楽しみにしたいところですね!

Posts