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知る・学ぶ 2021-06-08

「ニューオーナーシンドローム」を知ってペットを優しく迎え入れよう

元気よく走り回る子犬や子猫を見て、「あの子にしよう」と心に決めた日から待ちに待ったお迎えのとき。幸せな気持ちで自宅に連れて帰ったものの、元気がなく、餌も食べずに隅っこでじっとしている-。
お迎えした日から早々体調不良になる子犬・子猫を前に、心配でいてもたってもいられない飼い主さんが後を経ちません。

しかし、新しくお迎えした子犬・子猫がこのような状態になってしまうことはよくあることで、これを「ニューオーナーシンドローム」と呼びます。
そこで今回は、ニューオーナーシンドロームの症状と原因、飼い主さんが注意すべきポイントなどを解説します。

新しくお迎えした子にありがちなニューオーナーシンドロームとは?

新しくお迎えした子犬・子猫が体調不良になってしまうことを「ニューオーナーシンドローム」といいます。
ペットショップやブリーダーさんの元にいた頃はとても元気だったにもかかわらず、自宅に連れてきたとたんに元気をなくしてしまうのですから、飼い主さんにとっては大変ショックでしょう。

ニューオーナーシンドロームの原因

ニューオーナーシンドロームの原因は環境の変化によるストレスです。
もともと、動物は人間以上に環境変化に敏感ですが、生まれて間もない子犬・子猫は一層この傾向が強く出るため、心身のバランスを崩してしまうのです。

また、強いストレスにさらされると体の免疫力が低下し、さまざまな病気にかかってしまうこともニューオーナーシンドロームではよくあること。
こうしたことから、ペットを飼い始める方が多くなる春は、子犬・子猫の診察が非常に多くなる傾向があります。

命にかかわることも! ニューオーナーシンドロームの具体的な症状

ニューオーナーシンドロームの症状としてよく挙げられるのが食欲不振、嘔吐、下痢、倦怠感です。
また、免疫力が低下した結果、皮膚糸状菌症(通称「犬カビ」「猫カビ」)や風邪などの感染症にかかりやすくなることも特徴の一つ。

症状のなかでも要注意なのは嘔吐と下痢です。体から水分と栄養が出ていってしまうため、脱水症状と栄養失調を招き、命を落としてしまう恐れさえあるのです。
万が一、お迎えしたばかりの子が嘔吐と下痢を何度も繰り返しているようであれば、早急に動物病院を受診させましょう。

ニューオーナーシンドロームの責任はどこに?

弱々しくなった小さな体を見て、「自分がいけないのではないか」「何がいけなかったのか」と悩む飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
ニューオーナーシンドロームには「ニューオーナー=新しい飼い主」との言葉もありますし、これを聞いただけではやはりご自身を責めてしまうかもしれませんね。
しかし、ペットに優しく丁寧に接している限り、飼い主さんの責任ではなく、あくまで新しい環境によるものなのです。

また、ペットショップやブリーダーさんの飼育方法に疑問を抱く場合もあるかもしれませんが、まずは冷静になってニューオーナーシンドロームの可能性の方を先に検討しましょう。ペットショップの方やブリーダーさんがいくら大切にお世話していても、環境がガラッと変わってしまえば体調不良は起こりうるからです。
ニューオーナーシンドロームの症状は、その子の性格や元々の体の強さも関係しますので、飼い主さんはできるだけ大らかな気持ちでいるよう心がけましょう。

お迎えしたその日から! 飼い主さんが注意すべきポイント

子犬・子猫が新しい環境に慣れるまで、少なくとも1週間~2週間はかかります。
つまり、この期間に飼い主さんがどのように対応するかによって、ニューオーナーシンドロームを乗り越えられるかどうか決まると言っても過言ではありません。
ちょうどペットをお迎えしたばかりの方や、これからお迎えを検討している方も、自宅に子犬・子猫を連れてきてからの1週間~2週間は次のような点に注意してください。

とにかく静かな環境を作る

お迎えした日からしばらくは、できる限り静かな環境を作るよう努力しましょう。動物は音に敏感なので、大きな音・不快な音には恐怖心を持ってしまいます。
小さなお子さんがいらっしゃるご家庭の場合は、ペットに誰もいないお部屋やお子さんの声が聞こえにくい場所を確保してあげて、ストレスを与えないようにしてください。

無理に触らない

まだ飼い主さんだと認識できていない時期に過度なスキンシップを取ろうとすると、ペットは強いストレスを感じてしまいます。
あまりのかわいらしさについ、「モフモフしたい!」となる気持ちはわかりますが、ここはグッとこらえましょう。お子さんがいらっしゃるご家庭では、この点を粘り強く説明してあげてください。

食べ慣れている餌のみを与える

しばらくの間はペットショップやブリーダーさんの元で食べていた餌を与えましょう。食べ慣れていない餌ではまったく口をつけず、栄養不足になってしまいます。
なお、この先も餌を切り替える際は、段階的に新しい餌へ移行させてください。餌の材料によっては体に合わず、下痢になってしまうことがあるからです。

ケージやサークルの中に入れてあげる

自分の身を囲うものがあると何となく安心感があるものですが、それは動物にとっても同じ。お迎えしてから数日間は子犬・子猫をケージやサークルの中に入れて、静かに様子を見守るようにしましょう。環境に慣れてくると、ケージやサークルから出たがる子もいます。

ストレスを与えない方法で連れ帰る

可能であれば、ペットショップやブリーダーさんなどの元から自宅に連れて帰る際の方法にも注意したいところです。
大きな音や振動でストレスを与えてしまわないように、人の多い大きな駅や揺れが激しい移動手段の利用はなるべく控えましょう。例えばペットと飼い主さん専用のペットタクシーなら、ストレスの元を最小限に抑えてくれるので安心です。

すぐにしつけを始めない

新しい環境に慣れないまましつけを始めることは子犬・子猫に酷です。慣れてからでも遅くはないので、飼い主さんはしつけを急がないようにしましょう。

睡眠の邪魔はしない

人間の赤ちゃんと同様に、子犬・子猫にも長時間の睡眠が必要です。ぐっすり寝ているときは声をかけたり触ったりしないようにしましょう。
ただ単に寝ているだけなのか、それとも体調不良でぐったりしているのか、飼い主さんとしては判断が難しいところですが、呼吸が苦しそうだったり、体が震えていたりしなければ寝ていると判断して良いでしょう。

こんな症状が続くときはすぐに動物病院へ!

前述の通り、ニューオーナーシンドロームは子犬・子猫にありがちな症状ではありますが、油断すると命にかかわります。
長い間ぐったりしている、水や餌に口をつけた形跡が見られない、血便、嘔吐が続くといった場合はすぐに動物病院を受診させましょう。
深夜でも朝まで待たず、最寄りの夜間救急動物病院へ急行してください。

初心者の場合は成犬・成猫をお迎えするのもおすすめ

子犬・子猫は体が弱いため、お世話には大変な手間がかかります。
この点をしっかり理解した上でお迎えしないと、飼い主さんとペット双方にストレスがかかり、お互いに良いスタートを切れません。
そのため、ペット初心者の方にはあえて成犬・成猫をおすすめすることがあります。

犬と猫の場合は「小さい頃から飼わないと懐かない」との説が根強いため、やはり子犬・子猫を希望される方が多いのが現状です。しかし、実際は成犬・成猫からでもきちんとお世話すれば、ちゃんと飼い主と認めて懐いてくれます。
また、成犬・成猫は成長が終わり、体がある程度強くなっているため、子犬・子猫より健康管理が比較的楽であるというメリットもあります。

これからペットのお迎えを検討している方はぜひ、成犬・成猫も選択肢に入れてみましょう。

まとめ

ニューオーナーシンドロームの症状と原因、飼い主さんが注意すべきポイントなどを解説しました。
お迎えした子と飼い主さんはこれから長い間時間を共にしますので、第一印象は良くしたいもの。「ここにボク・ワタシの居場所はない」なんて思われないよう、適度な距離を取りつつ、優しく迎えてあげてくださいね。

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知る・学ぶ 2021-05-28

ブーム到来で人気沸騰! 爬虫類の魅力と飼育する際の注意点について

犬や猫、小動物は昔からペットとして人気がありますが、最近ではヘビやトカゲ、カメなどの爬虫類を飼う方も増えています。ペットショップやバラエティショップで爬虫類の飼育グッズをよく目にするようになった方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、爬虫類の魅力や爬虫類初心者にもおすすめの人気種、飼育する際の注意点などについてご紹介します。

ヘビやトカゲが自宅に! 爬虫類の魅力とは?

現在、日本では空前のペットブームと呼べるほど、動物を飼育する家庭が増えています。以前まではペットの定番である犬や猫、うさぎ、小鳥などが大部分を占めていましたが、今では「それ、飼えるの?」と思わず驚きの声をあげてしまう動物もペットにされており、爬虫類もその一つです。
爬虫類独特の動きと柄、顔つきに夢中になってしまい、多頭飼いになることも珍しくありません。

爬虫類の性格や動き、顔つきは種類によってさまざま

爬虫類というとクールで無機質なイメージがあるかもしれませんが、性格や動き、顔つきは種類によってさまざまです。
そのため、飼い主の好みに合った個体を選ぶことも、爬虫類を飼う楽しみになります。

名前を呼ばれたら寄ってくる?! 懐く個体も

爬虫類のなかには、人間とスキンシップを取ったり、名前を呼ぶと飼い主さんのもとに寄ってきたりする個体もいるようです。
ここまで信頼関係を築けるようになるには時間がかかりますが、少しずつ馴れてもらうその過程もまた、楽しい時間になります。

一人暮らしでも飼いやすい

小型種であればスペースにさほど余裕がなくても飼育できますし、散歩の必要がないので一人暮らしの方のペットとしてもおすすめです。
餌についても、週に数回与えるだけで済む種類もいるので、家を空ける機会の多い方でも安心ですね。

爬虫類初心者にもおすすめの人気種

爬虫類は非常に種類が多いことでも知られており、いざ「飼ってみたい」と調べてみても、これといった見当がつかないこともあるでしょう。
次に挙げる動物は、比較的飼育しやすい爬虫類とされているので参考にしてみてください。

カメ

頑丈な甲羅とのっそりとした動きが特徴のカメは基本的に穏やかな性格の個体が多く、飼育のしやすさについても群を抜いています。
つぶらな瞳や首を傾ける仕草にもファンは多く、爬虫類が苦手な方でも「カメなら大丈夫」という声も。

そんなカメですが、爬虫類初心者の方であれば小型の「ミシシッピニオイガメ」がおすすめです。
成長しても体長は10cm程度なので大きな水槽は必要なく、餌を与える頻度も週2、3回程度でOK。ただし、水棲のカメなので水槽の水は最低週に1回は取り替えて、常にきれいな住環境を保つ必要があります。

また、名前からわかる通り、ミシシッピニオイガメは危険を察知すると独特のにおいを出します。普段はめったににおいを出すことはありませんが、動物のにおいが苦手な方は飼育自体を避けるか、カメを怒らせるようなことはしないように気をつけましょう。

ヤモリ

「爬虫類といえばヘビやトカゲでしょ!」と考えている方には少々物足りないかもしれませんが、ヤモリは飼育しやすいのでおすすめです。
ヤモリのなかでも特に人気があるのは「ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)」で、かわいらしい顔とおだやかな性格は幅広い層から人気があります。

飼育ケージも縦横30cmほどのものでいいので、一人暮らしのワンルームアパート・マンションでも十分飼育可能。帰宅後、夜行性のヒョウモントカゲモドキが「おかえり」と顔をのぞかせてくる瞬間は、忙しい毎日の心の支えになるかもしれませんね。
なお、ヒョウモントカゲモドキのなかには人とのスキンシップもできる、人馴れした個体もあるようですが、爬虫類は基本的に「触るペット」ではありません。あくまで観賞して楽しむペットとしてお迎えしましょう。

爬虫類をお迎えするときの注意点

最近では、爬虫類の人気に伴って飼育グッズや医療サービスが充実し、以前よりは飼育しやすい状況になっています。
しかし、犬や猫といった一般的なペットとは異なる点が多々あるので、実際にお迎えするときは次のような点に注意する必要があります。

飼育環境の調整を徹底する

爬虫類のお世話自体はそれほど手間がかかりませんが、温度や湿度の管理など飼育環境の維持には気をつけなければなりません。
また、適温を保つためにファンやヒーターを付ける必要があるため、その分電気代もかかることはしっかり認識しておきましょう。

種類によっては餌代が高くつくことも

種類によっては生き餌が必要となり、餌代が高くなる場合があります。そのため、爬虫類初心者の方の場合は、葉物野菜や人工飼料で飼育できる種類がおすすめです。

ケージはしっかり掃除する

爬虫類を飼うと、においが気になることがあります。爬虫類自体にあまりにおいはありませんが、糞や餌のにおいが強いのでケージ内の掃除は必須です。
適切な掃除の頻度やタイミングは爬虫類の種類にもよるので、この点はお迎えする前にペットショップの方や飼育経験者の方に確認しておきましょう。
掃除してもにおいが気になる場合は、爬虫類専用の消臭スプレーやパウダーを使用するのもおすすめです。

触った後は必ず手洗いを!

爬虫類から人へのサルモネラ菌感染を予防するため、ペットを触った後は必ず手をしっかり洗いましょう。
食中毒を引き起こすサルモネラ菌は爬虫類の常在菌であるため、感染を防ぐには飼い主さん主体で対策をする必要があります。

脱走には要注意!

ここ最近の爬虫類ブームと同時に脱走事案も多くなっています。爬虫類はちょっとした隙間からケージを脱出してしまうことがあるため、お迎えするときはしっかりとした作りのケージを購入し、目を離すときは必ずケージのフタや扉を閉め、施錠しましょう。
脱走してしまった場合、爬虫類の種類によっては人や他の動物に危害を加えてしまう恐れもありますし、現地の生態系を脅かす可能性もあります。

長生きを前提とした飼育を!

爬虫類は寿命が長いことで知られています。例えば、さきほどご紹介したヒョウモントカゲモドキは10年〜15年、ミシシッピニオイガメは30年を優に超えることもあります。爬虫類の寿命は犬や猫と同等か、それ以上とみて間違いないでしょう。
これから爬虫類をお迎えする方は、彼らの長い寿命を見据えてお世話してくださいね。万が一の場合に備えて、爬虫類の里親募集サイトをチェックしたり、預かってくれる方を見つけておいたりすることをおすすめします。

飼えない場合は「爬虫類カフェ」を利用する手も

注意点を一つひとつ確認した結果、お迎えするのが難しい場合もあるでしょう。ここで無理をしてお迎えすれば、後々大きなトラブルにつながりかねません。しかし、がっかりしないでください。お迎えできなくても爬虫類に会える「爬虫類カフェ」があります!

爬虫類カフェは猫カフェと同じく「見て、触れ合える」がコンセプトであり、ドリンクを飲みながらさまざまな爬虫類の動物たちと触れ合えます。
生体を販売している店舗もあるので、何度か通って「この子だ!」と思ったときにお迎えするのも良いですね。もちろん、衝動買いはなしです。

まとめ

爬虫類の魅力や爬虫類初心者にもおすすめの人気種、飼育する際の注意点などについてご紹介しました。
ペットショップ経由でお迎えしたとしても、爬虫類は野生動物であることには変わりありません。まるで小さな恐竜のような姿は神秘的であり、自宅で野生動物の世界を再現できることも爬虫類ファンが増える理由の一つなのでしょう。

しかし、南米やアフリカなど、爬虫類が本来生息している自然環境を作り出して維持するのは想像以上に大変です。爬虫類をお迎えするときは、こうした点をよく考えた上で決断するようにしましょう。

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知る・学ぶ 2021-05-24

もはやミニライオン! 大型猫の魅力と種類について

「大型種の動物」と聞いて、皆さんはどのような動物を思い浮かべるでしょうか。多種多様な動物界にはさまざまな大型種が存在しますが、身近などころでは犬や鳥を挙げる方が多いかもしれません。
しかし、狭い場所で小さく丸まって眠る小柄な猫にもちゃんと大型種がいます。

そこで今回は、大型猫の魅力や大型のネコ科動物、お家で飼える大型猫、飼うときの注意点などについてご紹介します。

大型猫とは?

大型猫とは、体重が5~9キロに該当する猫のことをいいます。
猫といえば小柄な体型のイメージが強いため、猫の大型種と聞いてもあまりピンとこないかもしれません。しかし、猫にも大型種がいくつか存在します。

たとえば、アメリカ原産のメインクーンは大型猫を代表する猫種で、平均体重は5~9キロ。優雅な長毛と威厳のある顔、そしてなにより「穏やかな巨人」とうたわれるほど穏やかな性格は世界中で愛されています。

なお、ギネスブックに「世界一大きな猫」として登録されたのも、このメインクーンです。体重15キロにも及ぶ体は見ているだけで迫力があり、飼い主に抱かれている姿は人間の子どものよう。
猫の小型種は2~3キロ、中型種は3~5キロですから、15キロは規格外のサイズであることがおわかりいただけますね。

大きな体に優しい心! 大型猫の魅力

メインクーンに限らず、大型猫は一般的に優しい穏やかな性格の子が多く、丸っこい体型やゆったりとした動きなども含めて、人に愛される要素をたくさん持ち合わせていると言って良いでしょう。
懐きやすく、あまり激しい遊び方をしない点でも猫の飼育初心者にはおすすめで、ペット市場においても常に一定の人気があります。

世界にはこんなに大きくて立派な猫も!

ペットの猫以外にも、世界には野生味溢れる大きな「猫」がいます。家猫に近い猫科動物であるカナダオオヤマネコは、実際にカナダやアメリカ北部の街中にひょっこり顔を出すときがあります。
体重は15キロ程度ですが、体高が1メートル近くになるものもあり、優雅に歩く姿が確認されると度々話題に。

海外の富裕層の人々がペットにしていることもあるようですが、日本で個人がペットにする際は行政からの飼育許可が必要であり、飼育環境についても複数の規定が定められているため、一般的な家猫のようには飼えません。

大きなモフモフ! お家で飼える大型猫の種類

大きな猫科動物はいつでも動物園の人気者です。「あんなに大きなモフモフの動物が自宅にいたら……」と想像する方は多いですが、実際は不可能なので遠くから眺めるだけで終わります。

しかし、お家で飼育可能な「大きめのモフモフ猫」ならどうでしょう。次に挙げる猫種は国内外で大変人気のあるペット向けの大型猫です。

メインクーン

最初にご紹介した大型猫、メインクーンは大きな体と優しい性格で人気のある猫種です。まるでライオンのたてがみのような長毛なので見た目はワイルドですが、性格は前述の通り。毛と目の色はこれといった決まりがないので、さまざまな外見の子がいます。
順応性があり、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭でも安心して飼える賢い猫種ですが、暑さが苦手なので、お家にお迎えするときは常に室温を調節する必要があります。

ノルウェージャンフォレストキャット

ノルウェージャンフォレストキャットは北欧原産の長毛の大型猫です。顔つきや毛・目の色がメインクーンと大変良く似ており、体重は4~8キロほど。
性格は朗らかで賢く、あまり人見知りしない社交的な点も魅力の一つといえるでしょう。クラスの明るい優等生といったところでしょうか。
もともとのルーツが寒い地域にあるため、メインクーンと同じく暑さは苦手です。また、毛が絡まりやすいため、毎日のブラッシングは必須です。

サイベリアン

サイベリアンの英語表記は「Siberian」。ここからわかる通り、ロシア原産の猫です。成長後の体重は4~8キロほどで、なかには10キロを超える子も。
毛の長さや毛・目の色、顔つきもメインクーンやノルウェージャンフォレストキャットと似ているため、猫にあまり詳しくない場合はこの3匹を見分けるのは難しいかもしれません。
性格は少々おてんばさんで、大きな体の割には俊敏な動きをします。遊び好きなので、一緒に遊んであげる時間を十分に確保できる方におすすめの猫種です。

ラグドール

ラグドールはアメリカ原産、青い目とぽってりとした顔と体が特徴の猫です。ラグドールは英語で「ぬいぐるみ」を意味しますが、その言葉通りの可愛らしさと落ち着きで、ここ最近人気を集めています。
体重は4~8キロ程度で、どの程度大きくなるかはその子によりますが、メスはオスと比べるとだいぶ小柄になる傾向に。
薄いグレーやこげ茶色とホワイトのハチワレ(額あたりから顔の毛の色が2色に分かれている柄)の顔が狸に似ているのもチャームポイントです。

ラガマフィン

ラガマフィンはラグドールにペルシャ猫やメインクーンを掛け合わせた比較的新しい猫種。つまりラグドールの親戚ですが、ラグドールと比べて毛と目の色にバラエティーがあるため、見た目はそれほど似ていません。
しかし、ラグドールの大きな体はしっかり引き継いでおり、成長後の体重は5~9キロほどになります。

ミックス

ミックスにも大きな体の子がいます。お父さん・お母さん猫のどちらかが大きな体格であれば、産まれてくる子も体格が遺伝するので当然ですね。
親猫を知らずにミックスの子猫を育てた結果、8キロを超える大型猫に成長することもあります。

大型猫オーナーが困りがちなこと

大型猫はいろいろな意味で「規格外」になりがちです。したがって、大型猫をお迎えした場合、大型猫オーナーさんは次のような点で悩んだり、困ったりすることがあります。

大型のトイレやケージ、キャットタワーが必要になる

大型猫は使うグッズも大型でなければなりません。特に十分なスペースを確保できない小さいトイレやケージは猫にとって大変ストレスになるため、子猫時代にグッズを揃えるときは大きめサイズのものを選ぶようにしましょう。
店頭で大きめサイズが見つからない場合は、大型猫専門店をあたってみてはいかがでしょうか。

運動不足・肥満が心配になる

大型猫は小型猫や中型猫と比べると動きが少ないため、飼い主さんとしては運動不足が心配になるところでしょう。実際、大型猫は肥満になりがちですから、遊びで体を動かして、食事量にも気をつける必要があります。

重いので外出時は手間取る

体重があるため、動物病院やペットホテルへ連れて行くときは手間取ることがあります。長時間の外出は飼い主さんにとっても猫にとってもストレスになるので、病院やペットホテルは自宅から近いところを利用するのがおすすめです。

大型猫を飼うときの注意点

大きな動物が好きな方にとって、大型猫は選択肢の一つになりやすい動物でしょう。大型犬のように散歩に連れて行く必要はありませんし、大型鳥のように大きな声で鳴かないので、大型動物のなかでは飼いやすい方であることは事実です。

しかし、大型猫には独特の注意点があります。現在大型猫のお迎えを検討している方は、次のような点に注意してください。

適度に運動させ、食事量に気をつける

前述の通り、大型猫は運動量の少なさから太りやすい傾向にあります。
肥満はあらゆる病気・怪我の原因になるので、普段からなるべく遊んであげて運動量を増やすようにしましょう。もちろん、食事量の管理は必須です。

キャットタワーは安定感があるものを

大型猫が使用するキャットタワーは安定感のあるものが理想です。猫が飛び乗っても簡単にグラつかない、しっかりとした作りのものを購入するようにしましょう。高さは中程度がおすすめです。

想定外の成長を覚悟する

大型猫は子猫時代から2~3年かけてゆっくり大きくなります。そのため、場合によっては飼い主さんが想定していた以上に大きくなることも。猫の成長を止めることはできませんし、猫に罪はありません。
大型猫をお迎えするときは「予想以上に大きくなっても大丈夫」という寛容な心と覚悟を持ちましょう。

毛のお手入れは欠かさず行う

大型猫は長毛の種類が多く、毛のお手入れは必須です。一度毛が絡まると毛玉になってしまったり、抜けた毛を飲み込んで胃や腸に大量の毛玉がたまって毛球症になってしまったりすることもあるので、ブラッシングは毎日行いましょう。

まとめ

大型猫の魅力や大型のネコ科動物、お家で飼える大型猫、飼うときの注意点などについてご紹介しました。
大型猫は人との相性が良く、ペットにする動物としては理想的な動物です。
しかし体が大きいがゆえの難点もあるので、お迎えするときは飼い主さんがこうした点を理解し、お世話を続けるという覚悟を持ってください。
大切にお世話すれば、いずれ飼い主さんを支える「大きな相棒」となるでしょう。

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知る・学ぶ 2021-04-23

人に懐きやすい小鳥の種類と懐いてもらうポイントについて

小鳥が人に懐き、肩や手に乗る様子は大変かわいらしいものです。
最近ではネットニュースや動画サイトでも小鳥が人に懐き、楽しく戯れている映像が頻繁に流れるため、小鳥を飼ってみたいと思い始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その一方、懐いてくれるかどうか心配で、あと一歩が踏み出せない場合もあるでしょう。しかし、小鳥のなかでも懐きやすい種類から選び、小鳥に信頼してもらえるように接すれば、懐いてもらうことはさほど難しいことではありません。

そこで今回は、懐きやすい小鳥の種類や懐いてもらうポイント、小鳥をお迎えする際の注意点などについてご紹介します。

懐きやすい小鳥の種類とは?

手のひらに収まる小さい体に美しい羽をつけ、楽しそうにさえずる小鳥。
ときには人の指に止まって飼い主さんをじっと見つめたり、求愛ダンスを踊ってくれたりすることがあるため、その人懐っこさに驚くことも少なくありません。

しかし、すべての小鳥に当てはまるわけではなく、やはり懐きやすい種類が存在します。たとえば次のような小鳥は特に懐きやすく、ペット店でも人気の種類です。

セキセイインコ

セキセイインコはオーストラリア原産のインコ科の小鳥です。
世界各国でペットとして愛されている小鳥で、その賢さと人懐っこさ、黄色やスカイブルーなどカラフルな羽の美しさで知られています。
個体にもよりますが、基本的には活発で明るい性格であり、ヒナのうちから優しくスキンシップを取っておくと、人に慣れて積極的に飼い主さんの手に乗ってくれるようになります。
また、人間の行動をよく観察しているため、最初は懐かなかった場合でも徐々に飼い主さんを信頼してくれるようになる可能性が高いのも特徴です。

なかには人の会話やテレビで流れてくるセリフ・歌を真似ておしゃべりしたり、歌ったりする子もいるため、ペットショップではすぐ売り切れになってしまうこともしばしば。
価格が安く、体も丈夫で飼育しやすいので小鳥の飼育初心者の方にオススメです。

コザクラインコ

アフリカ大陸原産のコザクラインコはセキセイインコと同じくインコ科の小鳥であり、顔も似ています。羽の色は黄緑色を基調としたものが多いですが、最近はブルーや黄色などの個体も登場しています。

コザクラインコは大変愛情深い小鳥として知られ、「ラブバード」との呼び名もあるほど。ヒナの頃から大切にお世話してあげるとコザクラインコから「パートナー」と認識され、まるで飼い主さんを恋人のように慕うこともあります。
また、人とコミュニケーションを取るのも好きなタイプ。なかには「気持ちが通じ合っている」と感じる飼い主さんの方もいらっしゃるようです。
さらに、手や肩に乗ってくれるだけではなく、芸を覚える子もいますよ!

文鳥

文鳥はインドネシア原産のカエデチョウ科の小鳥です。
羽の色には白、グレー、薄茶色(シナモン)、シルバーなどがあり、顔と体型はスズメとよく似ています。全体的に落ち着いた色合いとシュッとした体型・顔つきにはファンが多く、最近では文鳥グッズも多数登場しています。

文鳥もセキセイインコやコザクラインコと同じく賢く、人によく懐きますが、他の小鳥と比べると少々さみしがり屋です。
そのため、コミュニケーションを怠ると心が離れてしまい、逃げ回るようになることもあるので、文鳥を飼う場合は常に「気にかけているよ」という意識と愛情をもって触れ合うようにしましょう。

ヒナの選び方

小鳥はヒナから飼育することで飼い主さんが親だと思い込み、慣れてくれるようになります。
そのため、できれば生後1週間~1か月のヒナが理想です。ペットショップで選ぶ場合、鳥かごに顔を近づけてみて、興味をもって寄って来てくれる小鳥はすでに人に慣れている可能性大。小鳥は意外にも態度や表情がわかりやすい動物なので、よく観察して機嫌を悪くしていない、元気な子を選びましょう。

飼い始めてからはとにかく気にかけることが大切です。優しくたくさん話しかけてあげると、徐々に警戒心を解いてくれます。

小鳥に懐いてもらうポイント

上記でご紹介した小鳥は確かに人に懐きやすい種類ですが、だからといって飼っているだけで懐くことはありません。
小鳥に懐いてもらうためには「信頼」「愛情」「関心」「安全」の基準をすべて満たす飼い方をしなければならないのです。

丁寧にお世話して、優しく接する

鳥もほかのペットと同じく、「餌を持ってきてくれる人」や「鳥かごを掃除してくれる人」に懐く傾向があります。基本的なことですが、これらは必ず行うようにしましょう。その際、なるべくバタバタと音を立てず、優しい眼差しを心がけるようにしてください。優しい態度というのは動物にもわかるものです。

毎日語りかける

小鳥には毎日優しく語りかけましょう。自分に関心を持ってくれているとわかると、小鳥も飼い主さんに注目するようになります。
「人の言葉なんてわかるはずないじゃないか」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、元々小鳥は音に敏感ですし、好奇心旺盛なので人の会話をよく聞いています。
ですので、まずは毎日語りかけて関心があることをアピールしましょう。優しく、ゆっくり語りかけるのがコツです。
逆に、叫んだり、威圧感のある大きな声で話しかけたりすることは懐かなくなる原因になるので注意しましょう。

むやみに触らない

早く懐いてほしいからといって無理に触ろうとしたり、追いかけまわしたりすると、人に恐怖心を抱いてしまいます。
飼い始めの段階では語りかけを中心にして、鳥かごから出したときに小鳥自ら寄ってくるようになったら、その時が「触り時」です。

小鳥が懐いているときの仕草とは?

小鳥が懐いてくれるようになると、さまざまな仕草を見せてくれます。
たとえば、逃げることなく飼い主さんの後を追ったり、小鳥から触ってもらおうとおねだりしたりします。

また、人の指に止まって口ばしをこすりつけるようになると、それは小鳥の「大好き」という愛情表現。飼い主さんの方にとってはこれほどうれしいことはありませんね。

なお、ときどき髪の毛や指、頬を優しく噛んでくることがありますが、これは鳥が飼い主さんを信頼している証拠です。強く噛みついてくるときはストレスを感じていることもありますが、基本的に甘噛みは愛情表現なので叱らないようにしましょう。

小鳥をお迎えする際の注意点

小鳥は非常に賢い動物ですが、だからこそ接し方や小鳥の将来について注意・覚悟しておかなければならない点があります。

いつかやってくる「お別れの時」を覚悟しておく

種類にもよりますが、小鳥の平均寿命は10年前後です。犬や猫と比べると寿命は短めの傾向にあるので、この点はあらかじめ覚悟しておきましょう。
大切なのは懐かせることより、小鳥と一緒に過ごす時間です。

早く懐かせようとしない

小鳥にもそれぞれ個性や性格があります。「色々とやってみても懐かないから」といってお世話を放棄したり、小鳥の存在を無視したりすることは絶対にやめましょう。敵とみなして心を開かなくなります。

たっぷりと愛情を注ぐことが大切

懐きやすい小鳥の種類や懐いてもらうポイント、小鳥をお迎えする際の注意点などについてご紹介しました。
小鳥は飼育しているだけで人に懐くことはないので、ヒナのうちからしっかりと愛情を注いでお世話することが大切です。飼い主さんのことを信頼できる存在だと認めてもらえれば、小鳥も愛情を示してくれるようになります。
まずは飼い主さんの方から優しく、丁寧に歩み寄る姿勢で接するようにしましょう。

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知る・学ぶ 2021-03-31

愛犬家が一堂に会する犬の祭典「ドッグショー」とは

犬を飼っている方は「ドッグショー」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
ドッグショーは犬種ごとの姿形を評価する場所といったイメージが強いですが、実は犬の評価の他にも見どころがある、楽しいイベントでもあるのです。

そこで今回は、ドッグショーで行われる内容や楽しむポイント、見学の際の注意点をご紹介します。

ドッグショーとは何をするイベント?

ドッグショーとは、純血犬種を評価する品評会のことをいいます。
具体的にはそれぞれの犬種の理想に最も近い犬を選出しますが、ドッグショーの目的はただそれだけではありません。
ドッグショーの最終的な目標は、それぞれの「犬種標準」(いわゆるその犬種の理想像)に近い純血犬種の血統を後世に引き継ぎ、純血犬種を保護・育成することにあります。

ドッグショーの審査では、それぞれの犬種が持つ能力や性質などがまとめられた犬種標準書に基づき、「犬種標準にいかに近いか」という観点で評価されます。ドッグショーで入賞しても賞金は出ませんが、それでも参加するブリーダーが絶えないのはショーでの客観的な評価を参考にして、今後のより良い繁殖につなげていくためなのです。

ドッグショーの見どころ

ドッグショーでは犬の体型や骨格、毛並みなどをチェックする個体審査と体の動きを見る歩様審査、チャンピオン犬と比べる比較審査が行われ、トップの犬が選出されます。

ブリーダー自慢の犬たちがハンドラー(リング内で犬をリードする係)に導かれて颯爽と歩く様子はとても優雅で見ているだけで楽しめますし、様々な犬種が集まる光景は犬好きにはたまらないでしょう。
まるで犬図鑑の中に紛れ込んだかのような体験ができるのも、ドッグショーの魅力の一つです。

初心者がドッグショーを楽しむためのポイントと注意点

ドッグショーは、ブリーダーたちが愛する犬種のために情熱を持って参加するイベントです。したがって、一般的な愛犬家で、なおかつドッグショー初心者の方であれば見学だけでも多少気後れしてしまうかもしれません。

しかし、次のようなポイントと注意点を押さえておけば初心者でも戸惑わずに、気軽に楽しめます。

会場入りはお早めに!

ドッグショーの審査は朝からスタートするため、色んな犬種の審査を見学したい場合は早めに会場入りすることをオススメします。その際、出場犬のプロフィールが掲載されている出陳目録を購入しておくと、各犬種への理解も深まり、より楽しく見学できるでしょう。

犬用グッズをお求めの方はお買い物タイムの確保を!

ドッグショーでは犬用の洋服、おやつ、トリミンググッズなどの展示会も開催されていることがあるため、犬用グッズの購入を検討されている方はショッピングの時間も確保しておきましょう。

出場する犬には触らない

ショーに出場する犬が近くに来ても触らないようにしましょう。また、大きな声での声掛けも控えてください。ショーに出場する犬は緊張状態にあり、知らない人に触られたり、声を掛けられたりすることがストレスになります。

審査中の写真は撮らない

審査中の犬の写真撮影はできないので、うっかり撮影してしまわないように注意しましょう。審査外でもフラッシュを使っての撮影はしないでください。光で犬が驚いてしまいます。

愛犬を連れる場合は目を離さず徹底管理を

ドッグショーでは犬を連れて入場できることがあります。愛犬と一緒におでかけする際は決して目を離さず、愛犬が他の犬と接触しないように細心の注意を払いましょう。

まとめ

ドッグショーで行われる内容や楽しむポイント、見学の際の注意点をご紹介しました。
ドッグショーは犬を愛する人々の情熱を肌で感じられる「愛犬家の集い」であり、競い合うだけのイベントではありません。つまり、ドッグショーの見学者に必要とされるのは犬を愛し、ショーを心から楽しむ気持ちとマナーです。

はじめてドッグショーに足を運ぶ方はこの点をふまえた上で、犬たちの美しい姿を存分に堪能してくださいね。

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