湿気対策はどうしてる? 湿度がペットに与える悪影響と対処法

美しい季節の移り変わりとはいえ、梅雨や夏場の湿気には参ってしまいます。人間でもひと苦労なのですから、ペットはもっと大変なのでは…?と心配になりませんか。
今回は、犬や猫をはじめ、ペットに適した湿度や湿気対策などについて詳しくご紹介します。

湿度が高すぎるとペットに悪影響! 考えられるデメリット

湿度が高い日は人間でも不快感を覚えたり、体調不良になったりしがちです。ペットも同様で、湿度が高すぎる環境では思わぬ悪影響が出てしまうことがあります。

傷んだフードで食中毒になる可能性

湿気の多い時期は細菌が繁殖しやすい環境で、フードが傷みやすくなっています。傷みに気づかずにあげたフードを食べたペットが食中毒になってしまう可能性があるため、フードの管理にはいつも以上に気を配りましょう。
例えば、食べ残したフードは放置せずにすぐに片付け、カビや腐敗を防ぎましょう。特にウエットフードは傷みやすいため、最初から食べきれる分だけを出すか、使い切れない分は冷凍するなどのひと手間を掛けて保存しましょう。

消化器や呼吸器への負担

湿気が高いと消化器に負担がかかり、お腹を壊してしまうことがあります。また、冷えにも注意しましょう。蒸すためあまり寒さは意識しない季節かもしれませんが、梅雨どきは雨で気温が下がることも少なくありません。
夏の湿気は高い気温とともに息苦しさを生じさせることがあり、呼吸器に負担がかかります。人間でも「暑い・湿気が多い」という場所では息苦しさを感じますよね。ペットもそれと同様です。

ノミ・ダニ・カビの発生による皮膚病

湿気が高い時期はノミ・ダニ・カビの発生がほかの季節よりも多くなります。それらが原因でアレルギー性の皮膚疾患やアトピー性皮膚炎などを発症してしまうケースもあり、注意が必要です。
ペットが普段よりも身体を舐めたり噛んだりしている様子や、脱毛している様子などがあれば、早めにかかりつけの動物病院で診てもらいましょう。

外耳炎になってしまうことも

ダニの中には外耳炎を発生させるものもあります。前述の通り、湿気はダニを増殖させる恐れがあるため、梅雨や夏場は普段よりも注意深くペットの様子を観察したほうがよいでしょう。
特に垂れ耳や長毛種のペットは要注意です。犬であればビーグルやゴールデンレトリバー、トイプードルなどは発症リスクが高いため、飼い主も注意してあげてください。

ペットが快適に暮らせる湿度はどれくらい?

ペットが快適に暮らせる湿度はどれくらいなのでしょうか。犬や猫をはじめ、ウサギやハムスター、ヘビなどが暮らしやすい湿度について見ていきましょう。

犬・猫

ノミ・ダニなどの発生を抑えられる湿度を意識しましょう。ノミ・ダニはおおむね60%以上の湿度になると活発に動くようになるため、ボーダーラインを60%にしておくと分かりやすいのではないでしょうか。
かといって、湿度が低すぎる環境もよくありません。脱水症状や皮膚の乾燥をまねく可能性があるためです。
犬の場合は40%~60%、猫の場合は50%~60%を目安に湿度をコントロールしましょう。これらはあくまで目安であり、愛犬や愛猫の年齢や毛のタイプ、体格などによって変わるため、様子を見ながら設定してあげてください。

ウサギ

ウサギは汗による放熱ができないため、飼い主が気をつけてあげなければいけません。快適な湿度は約60%と言われており、70%を超えると体調不良などの悪影響が生じる可能性があります。
このほか、長毛種のウサギは高湿度で毛が絡まりやすくなり、通気性が悪くなる恐れも考えられます。通気性が悪くなるとダニが居着き、皮膚炎になってしまうこともあるため、小まめなブラッシングも心がけましょう。

ハムスター

ハムスターに適した湿度は40%~60%です。湿度が高すぎるとやはりダニが発生しやすくなり、皮膚トラブルが心配されます。
また、ケージ内にカビが発生する恐れもあるため、湿気が多い時期は換気や除湿に気を使い、ケージの状態にも気を配りましょう。特に底や床材はカビが生えやすいため、注意深く観察するよにしましょう。

ヘビ

ヘビは45%~60%ほどの湿度で管理してあげてください。「毛がないんだから皮膚炎の心配はないのでは?」と思うかもしれませんが、空気中の細菌が増殖し、生活環境に影響が出てしまいます。
かといって乾燥しすぎもよくありません。ヘビは呼吸器があまり強くないため、湿度が低すぎると人間と同様に風邪を引いたりすることがあるのです。
湿気が高いときは除湿を、低いときには加湿をするなど、細かいコントロールをしてあげましょう。

快適な空間を作るために効果的な方法は?

快適な空間を作るためには湿度のコントロールが欠かせません。除湿アイテムやエアコンを適切に使用しながら、ペットが生活しやすい環境を作ってあげましょう。

除湿アイテムを活用しよう

室内の湿気をコントロールできるアイテムのひとつとして、除湿剤がおすすめです。スーパーやドラッグストアなどで手軽に買えるため、湿気の多い場所に置いてみてください。
ただ、除湿剤は体内に取り込むと体調への悪影響が心配されるものです。ペットが間違えて食べたり口に入れたりしないよう、飼い主がしっかり管理する必要があります。
除湿剤による事故が心配な人は、凍らせたペットボトルを部屋に置くのもおすすめです。冷やされた空気がペットボトルの表面に付着し、その分湿気が減ります。結露が出るため床濡れなどには注意しましょう。

エアコンの使用も適切に

エアコンに除湿機能があれば活用しましょう。電気代が心配な昨今ですが、無理のない範囲で使ってみてください。
また、エアコンはペットの熱中症防止にも効果的です。可能であれば24時間つけっぱなしにしておくと、ペットが快適に暮らせる空間を維持できるでしょう。
可能であればサーキュレーターや扇風機も併用して、空気を循環させると冷房効率が高くなるため、取り入れてみてはいかがでしょうか。

【注意】部屋を冷やしすぎないで!

エアコンで快適に湿気をコントロールしていると思っていても、室温を低くしすぎるのは要注意です。
部屋が冷えすぎ、「寒い」と感じたペットは、体温低下を防ぐために水分をとらなくなってしまい、脱水症状になる恐れがあるのです。
室温は22℃~25℃を目安にして、寒さを感じないようにコントロールしてみてください。これくらいの室温であればペットも飼い主も快適に感じられるでしょう。
傷みやすいウエットフードには乾燥剤を入れておくのもよい方法です。また、できるだけ冷蔵庫に保管して早めに食べきることを意識するようにしましょう。

湿気コントロールでペットと快適に季節を過ごそう!

梅雨や夏場の湿気には人間も辟易するものですが、自分で室内環境をコントロールできないペットもつらい季節です。湿気が多いと体調不良や病気になってしまうこともあるため、飼い主が適切にコントロールしてあげなければいけません。

ペットに快適な環境の多くは人間にとっても快適であることが多いので、ペットのための工夫のつもりが人間のためになるのも嬉しい一面です。
除湿アイテムやエアコンの除湿機能を上手に使いながら、快適な環境でペットと一緒に蒸し暑い季節を乗り切りましょう。

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