動物の命と尊厳を守りたい! 私たちにできることとは

人間社会のなかでは、ときとして犬猫をはじめとした動物の居場所が足りなくなってしまいます。その生命が社会システムの都合で失われてしまうタイミングがあることも否定できません。

しかし、昨今は可能な限り動物の命を尊重し、社会システムの都合で失われないようにしようという考えが高まり、様々な対策がとられるようになりました。具体的にはどのような対策なのでしょうか。

動物の命を奪うシステムは廃れつつある

動物を愛する人々は、いかにして社会と動物が共存していくかを考えています。それでも残念ながらシステムの充実が追いつかず、行政主導で命が奪われることも少なくありません。

しかし、以前と比較すると、社会システムによって動物の命が奪われることは確実に減少しています。2008年には約27万頭もの命が奪われましたが、20018年には約3万頭まで減少しています。
減少したとはいえ、完全にゼロになったわけではなく、今後もできる限りの対策がおこなわれることを願ってやみません。

なぜ命を奪われる動物の数が減少したのか

動物の命が以前よりも守られるようになった理由は複数あります。行政の方針に加え、動物を愛する人々が積極的なアクションを起こしたことが大きな要因になりました。

動物愛護法の改正

2012年、動物愛護法の改正がおこなわれました。この改正では「ペットが寿命を迎えるまで世話をするべきである」という考えが強く意識されたことが大きな特徴です。これにより、「もう飼いたくない」といった身勝手な理由でペットを手放そうとしても、保健所が断れるようになりました。
また、2019年には再度改正がおこなわれ、2021年から施行されています。動物虐待を禁じる項目がさらに強化されています。動物販売業者に対しても強いはたらきかけをする内容が盛り込まれました。
この二度の改正により、動物の命と尊厳を守ることがいかに重要かが意識される流れが生まれています。今後もよりよい社会システムを構築するため、定期的な見直しがおこなわれることを願ってやみません。

民間の動物愛護団体による積極的な活動

民間の動物愛護団体が積極的に活動できるようになったことも大きな要因です。もともと地方自治体ごとに動物を保護する制度はありましたが、キャパシティにはどうしても限界がありました。
そこで動物愛護団体と連携することにより、保護した動物の引き取り手を探しやすくなったり、飼育できる環境の確保ができるようになったりなど、キャパシティの拡大に成功したのです。

動物愛護団体の活動は行政との連携だけにとどまりません。団体にもよりますが、環境が受け入れきれない繁殖の抑制(避妊手術)や、引っ越しや飼い主の高齢化などやむを得ない事情で手放されるペットの受け入れ先を探すなどの行動が積極的におこなわれています。
最近では保護した動物と交流できるカフェ形式のショップも数多く運営されはじめています。ペットを飼えない環境の人でも触れあいが楽しめたり、相性のよい動物を引き取ったりすることができます。
入場料や飲食料を取る形式で運営資金を集め、保護されている動物たちの世話ができるという一面もあるため、有益な方法であることは間違いないでしょう。

奪われる命をゼロにしたい! 私たちにできること

奪われる命をさらに減らし、完全にゼロにしたいと願う人はきっと多いことでしょう。「でも多額の寄付はできない」「活動する時間や余裕がない」と思って一歩踏み出せない人もいるかもしれません。
それでも、日常のなかでできることは意外と多いのです。できることからで構いません。もしもあなたが「これはできそう」と思ったら、少しだけトライしてみてはいかがでしょうか。

保護動物の里親になる

もしも動物を飼える環境が整えられ、かつ、あなたが「ペットを飼いたい」と願うのなら、保護された動物の里親になる方法があります。保護動物カフェやNPO・自治体主催の譲渡会などで、相性のよい相手を見つけたら、ご自宅に引っ越すよう誘ってみませんか。

飼っているペットにマイクロチップを装着する

住所をはじめ、飼い主の情報が登録されたマイクロチップをペットに装着してあげましょう。万一逃げ出して迷子になり、保健所に保護されても、マイクロチップの情報を頼りに自宅へ帰ることができます。

野良犬や野良猫を餌付けしない

気ままに生きる野良犬や野良猫も可愛いものですが、餌付けすると周囲に迷惑をかけ、保健所に保護される可能性が高くなります。何かお世話をしてあげたいと思うのなら、動物愛護団体に連絡し、保護してもらいましょう。

できることから始まる動物愛護 奪われる命をなくすために

できることから始まる動物愛護 奪われる命をなくすために
人間の都合で動物の命が奪われるのはあまりにも哀しいことです。動物愛護法の改正や動物愛護団体の活躍などでその数は減少していますが、ゼロになるまではまだ少し時間が必要でしょう。
大きなアクションはできなくても、いま一緒に暮らしているペットや近所の野良犬・野良猫に向ける意識を少し強くするだけで救われる命が増えていきます。できることから少しずつ、無理のない範囲でトライしてみませんか。

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