ペットも人間も長寿の時代。長く一緒に暮らせることは嬉しいのですが、ペットと同じく飼い主も歳を重ねていきます。
最近はシニア世代とペットの暮らし方が注目されるようになりました。ペットと暮らす年齢に限りはあるのでしょうか?
多くの人は動物が好きだからこそペットを飼いたいと考えるでしょう。シニア世代でもきっとその気持ちは変わらないはずです。ただ、「高齢だからお世話やしつけが行き届くかどうか…」と不安に思う人もいるかもしれませんね。
シニア世代がペットを飼うことは何もおかしくありません。いまの日本で犬を飼っている人は50代がもっとも多く、ペットと一緒に歳を取ってシニア世代になっていくことも珍しくない時代です。
また、シニア世代がペットを飼うことには大きなメリットがあると考えられています。愛するペットと暮らし、メリットが得られるのは素晴らしいことではないでしょうか。
「何時にご飯をあげる」「何時に散歩をする」「あのおやつが好き」「あれに注意」など、ペットを飼うと意識することがたくさん生まれます。そのような意識は脳によい刺激を与え、記憶力を若々しく保つサポートになるでしょう。
飼うペットの種類にもよりますが、たとえば犬を飼うのなら散歩が必須になります。自然と運動量が増え、健康によい影響が期待できるようになるでしょう。
散歩をしないペットでもお世話のために活動量が増え、健康的な生活になります。
ペットを飼うと名前を呼んだり話しかけたりすることが増えます。遊んであげたり散歩に行ったりするときなど、声を出す機会も多くなるでしょう。
会話の機会が少なくなりがちなシニア世代には大きなメリットです。
シニア世代がペットを飼うときには、将来を考えてさまざまな備えをすることも大切です。
人間が歳を取るように、長く寄り添ったペットも歳を取ります。いままでのように軽快に動けず、慣れた家のなかや散歩道でも危険を感じるようになるかもしれません。
ペットが高齢になったら、人間でいうところのバリアフリー環境に近付けてあげましょう。階段などの段差がある場所には柵をつけて入れなくしたり、食器を高さのあるものにして食べやすくしたりするなどの対策を検討してください。
シニア世代は入院する人も少なくありません。ペットの世話ができる家族がいればよいのですが、もしいない場合には、緊急時に頼れる預け先を見つけておきましょう。
また、突然預けられてもペットがパニックになるケースや、普段とは違う行動をする可能性も考えられます。預け先に迷惑をかけないよう、基本的なしつけをしっかりしておくと安心です。
将来的に介護施設に入る予定があるかもしれません。その際、ペットはどうするかを考えておくことはとても重要です。
多くの介護施設ではペットと一緒に暮らすことは難しいため、介護施設への入所と同時にお別れになるケースが少なくないのです。まだ身体が元気なうちに考えておくべきでしょう。
方法としては、「信用できる親族や知人・友人に引き取ってもらう」「一緒に入れる施設を選ぶ」「里親制度を使う」が代表的です。
ペットを引き取り、大切にしてくれる親族などが引き取ってくれるなら安心です。事前に打診しておくと引き取り手が見つかりやすくなります。
また、最近はペットと一緒に入居できる介護施設もあります。予算などの条件が合うようなら、その選択もよいのではないでしょうか。
里親制度もよい選択肢です。自治体やNPOが仲介するサービスがあり、万が一のときには責任を持って新しい飼い主を探してくれます。
将来の備えとして、お住まいの自治体やお近くのNPOへの相談もおすすめです。
「やっぱりペットは飼えないかも…でも動物と触れ合いたい」。そう考える人は、飼う以外でも触れ合える方法を楽しんでみてはいかがでしょうか。
動物園やアニマルカフェはもちろん、動物関連のボランティアもあります。責任がある立場になるため、すべての人におすすめできるわけではありませんが、動物を愛する人ならやり甲斐を感じられるのではないでしょうか。
アニマルボランティアの種類はいろいろあります。たとえば犬がお好きなら、生まれたばかりの子犬にミルクをあげるミルクボランティア、譲渡会のボランティアなど、ご自分に合ったものを選んでください。
シニア世代でもペット飼育を諦めることはありません。シニアならではのメリットや楽しみがあることも確かです。
ご自身の環境や今後の人生計画などと照らし合わせながら、ペットと生活するよりよい方法を選んでくださいね。