街のさまざまな場所で見かける猫。
一部の飼い猫を除いてそのほとんどが過酷な外の世界で生きる野良猫ですが、もしも保護した場合は最初にどう対応すればよいのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、野良猫を保護したときにまずやるべき準備や注意点などについてご紹介します。
野良猫を保護する前後にまずやるべきポイントは以下の3点です。
猫を見かけた時は保護する前に、最初に周りの状況を確認してください。特に子猫の場合は近くに母猫がいる可能性があります。
猫は一度人間の匂いがついてしまうと、母猫が警戒して育てることを放棄してしまうといわれていますので注意が必要です。
子猫が一匹で迷子になっているところを発見したと思っても、実は母猫が周囲に隠れてひっそりこちらの様子をうかがっている可能性がありますので、少し現場から離れて様子を見てみるのもよいでしょう。
母猫が現れた場合、無理に保護しようとしても親子離れ離れになってしまいますので見守ってあげてくださいね。
親がいない猫であっても、飼育を検討する前に本当に野良猫かどうか確認しましょう。
たとえ首輪を付けていなくとも、実は放し飼いされている飼い猫であったり、警察や保健所へ飼い主から迷い猫の届け出がされていたりする可能性も考えられます。
また、最近では首輪ではなくマイクロチップがつけられている場合も多いほか、一度捕獲されてその地域で保護・管理されている地域猫である可能性もあります。
そのため猫を保護したときは、念のためまずは最寄りの警察や保健所へ届け出が出ていないか確認するようにしましょう。SNSで迷い猫の情報が拡散されている場合もあります。
はじめから猫が人懐こかったり、太ったりしている場合は上記のいずれかに該当している可能性がありますので特によく確認してください。
保護した猫が、野良猫・捨て猫である可能性が高いことが分かった場合はすぐに動物病院へ連れて行ってください。怪我をしている・体調が悪そうなときはもちろん、元気そうに見えても必ず獣医師に診せて猫の健康状態をチェックしましょう。
過酷な外の環境で暮らす野良猫は、ノミやダニに寄生されていたり、何らかのウイルスに感染したりしている場合も多いものです。特に既におうちで他の動物を飼育しているならば、隔離するなどして悪影響を及ぼさないよう注意が必要です。感染症は人にうつる可能性もあります。
また、動物病院では健康状態の検査・ノミやダニの駆除のほかには、予防接種や不妊手術を受けることもできます。費用は病院やコースによっても異なるものの、猫を保護すると決めたならば医療費の負担は覚悟しておく必要があります。
なお、動物病院へ迷い猫の届け出が出されている場合もありますので、併せて確認してみましょう。
猫をこれまで飼育したことがない場合、急に野良猫を保護することになっても慌てずにまず下記の5つのポイントをチェックしましょう。
野良猫を保護したときはお腹を空かしている場合がほとんどですが、猫の年齢や体の大きさによって適した食事が異なります。
動物病院を最初に受診しておけば、猫の年齢によって適した飼育方法もアドバイスしてもらえますので必ず行っておきましょう。
個体によっても異なりますが、体重が400g未満の子猫の場合はまだミルク叉は離乳食が必要ですので市販のキャットフードなど固形のものは避けましょう。
また、牛乳を飲ませると下痢になってしまう恐れがあり、体力を消耗させるだけでなく脱水症状になってしまう危険がありますので、猫用ミルクを用意してください。
反対に、体重400g以上であれば一般的にはキャットフードなどでも問題ありません。現在はさまざまなフードが販売されていますが、「総合栄養食」と記載されたものがオススメです。
野良猫を保護したときは体のノミやダニが気になって、ついお風呂にすぐに入れたくなりがちですが、猫にとってお風呂は非常にストレスが大きいためいきなり入れるのは避けましょう。
特に衰弱しているときは体への負担も大きくなってしまいますので、どうしても汚れが気になる場合は体をサッと拭いてあげるくらいにしておきましょう。
また、実はノミやダニはお風呂でシャンプーしても取りきれず、卵なども動物病院で処方される駆除薬でなければ除去が難しいため、まずは薬の投与後に猫が環境に慣れてきたらお風呂に入れることをオススメします。
既におうちに先住猫がいる場合は、保護した野良猫から寄生虫やウイルスなどが感染しないようにまずはしっかり隔離してください。
動物病院へまだ連れて行っていない場合は病気をうつしてしまう恐れがありますので、きちんと受診して必要な治療や検査が終了し安全が確認されるまでは十分に注意しましょう。
また、飼い主さんにウイルスが付着する可能性がありますので、ペットのお世話の際しばらくは手袋などを使うことを心がけ、こまめに清掃・消毒を行いましょう。
猫同士が喧嘩をしてお互いに怪我をしてしまう危険もありますので、なるべく別々の部屋に隔離するのがベストですが、部屋を分けるのが難しい場合は野良猫用に周りを布やダンボールで覆ったケージなどを用意して直接触れ合わないように環境を整備してください。
飼い猫とは異なり、これまでは外で暮らしていた野良猫ですからトイレのしつけも必要になります。
トイレを用意してあげてもすぐにはうまくいかない可能性があり、初めのうちは粗相を繰り返してしまうことも考えられますが根気よく行いましょう。
猫が家の中を落ち着きなく歩いていたり、そわそわし始めたりしている場合にトイレへ連れて行くなどして少しずつ慣れさせていきます。
また、特に離乳前の子猫は自分で用を足せない場合が多いため、ぬるま湯にティッシュやコットンなどをつけて軽く絞り、お尻を優しく拭くようにして刺激を与えてあげると良いでしょう。離乳食を口にできるようになる頃から徐々に自分でできるようになります。
ご飯やトイレのほかに、猫がリラックスして過ごせるベッド・寝床も用意してあげましょう。
様々な種類の猫用ベッドが販売されていますが、まずは自宅の毛布やバスタオルを用意するのもよいでしょう。飼い主さんや家の匂いがついたものであれば早く環境に慣れさせるポイントにもなります。
特に子猫の場合は自分で体温調節ができないため毛布やバスタオルで包んであげましょう。
野良猫を保護したときにやるべき準備や注意点などについてご紹介しました。
初めて猫を迎え入れたという方は、まずはすぐに動物病院へ連れて行き必要な検査や治療を受けつつ、獣医さんから猫に合わせた飼育のポイントなどのアドバイスをもらうことをオススメします。
最初にしっかりとしたケア・準備をしてあげることが猫の健康状態にも大きく左右しますので、きちんと責任を持って面倒をみてあげましょう。
また、猫を保護したものの飼育するのはどうしても難しいと判断した場合は、動物病院や動物保護団体・保護施設などに連絡して、小さな命を守りましょう。