犬を家に迎えるとき、外飼いと室内飼いのどちらにするかを悩むという方も多くいらっしゃることでしょう。
最近は室内飼いが増えましたが、住宅事情によっては外飼いを選択することもあります。
外飼いと室内飼いは、犬にとってどちらが良いのでしょうか?
今回は犬の外飼い、室内飼いの特徴や、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。
昔は犬の外飼いが一般的でした。一軒家の庭で犬を飼うための充分な広さが確保できていたからです。
犬は番犬としての役割も果たしていました。昔の映画やテレビ番組などでは、犬が庭でワンワンと元気よく吠えて不審者を追い返しているシーンを見たことがある人もいるでしょう。
しかし、高度成長期に団地やマンションのような集合住宅が増え始めました。犬を外飼いすることには向かない生活形態が増加したということでもあります。その結果、徐々に外飼いの犬が減り、室内飼いが主流になり始めたのです。
また、都市開発や土地価格の高騰によって、庭が充分な広さとは言えない住宅が増えたことも関係しているとみられています。
昭和の終わりになると、テレビのCMやメディアでは小型犬がよく見られるようになりました。可愛らしい小型犬がコミカルな演技で愛嬌を振りまく姿はあっと言う間に人気を博し、自分も家で一緒に小型犬と暮らしたいと思う人が増えたのです。
同時に、「ペットと生活できる」「ペットとの入居OK」などの集合住宅が持ち家・賃貸問わずに増加しました。室内飼いはさらに広まり、いまでは90%の飼い犬が室内飼いだと言われています。
犬の外飼いはまさに「外(庭)で犬を飼う」という飼い方です。敷地の外に逃げ出してしまわないよう、ほとんどの場合は首輪とリードがつなげられています。
とはいえ、動けないわけではありません。
飼い主が見守っているときにはリードを外し、自由に走り回らせることができます。大きな庭があるお家なら、門を閉めてドッグランのように使うケースもあるそうですよ。
すっかり少なくなった外飼いですが、いまでも外飼いを選択するお家があるのも事実です。メリット・デメリットについて見てみましょう。
外飼いの場合、大きなメリットが3つあります。
犬は敏感な動物です。不審者が家に来たとき、吠えて家族たちに危険を知らせてくれるでしょう。最近は一般家庭向けのセキュリティサービスも増えましたが、いまでも犬は最前線の警備員として家族を守ってくれています。
どんなに気を遣ってあげていても、どうしても抜け毛は出てしまいます。また、トイレの問題もありますよね。家の中の汚れを気にする家族がいるのなら、外飼いにメリットを感じるかもしれません。
室内飼いの場合、電気コードや熱源など、犬にとって危険なものが少なくありません。外飼いにするのであれば心配がなくなるでしょう。
一方、外飼いにはデメリットもあります。
ご近所に犬嫌いの人がいたり、やんちゃすぎる子どもが住んでいたりするのであれば、もしかすると心ないいたずらをされてしまうかもしれません。ひどいときには誘拐の可能性も。
犬種によっては暑さに弱い犬、寒さに弱い犬がいます。変化が激しい日本の四季を考えると、季節ごとに気を配ってあげる必要があります。悪天候のときには家のなかに入れるなど、対策が必要です。
愛犬の警戒心が強すぎると、家の前を通りがかるだけの人にも吠えかかってしまうかもしれません。番犬としては頼もしいのですが、ご近所付き合いに悪影響が出てしまうほど吠えられるのは困りますね。
次に、今の時代の主流である室内飼いについて見てみましょう。室内飼いは寝食すべてを家の中でおこない、基本的には飼い主と生活空間を共有します。
室内で暮らすルールを覚えさせる必要はありますが、飼い主がいつもそばにいて変化に気付きやすいこと、適切な室温での快適な生活、外部の悪意にさらされにくいことなど、飼い犬を安定した環境で生活させてあげられる特徴があります。
ただ、外飼いと同様、室内飼いにもメリット・デメリットがあります。
室内飼いのメリットは次の3つが代表的です。
いつも飼い主の目が届くため、体調不良の徴候に気付きやすく、病気を早期発見しやすくなります。また、脱走しにくいため外で怪我をする可能性を下げられます。
外飼いのときは豪雨や大雪のときに心配になりますよね。室内飼いならその心配がなく、いつも家の中で安心して暮らせます。
愛犬と一日中、ずっと一緒に過ごせるのは最大のメリットではないでしょうか。愛犬も飼い主といつも一緒にいられるのはきっと嬉しいことでしょう。食事やトイレの様子に気付きやすいのも、24時間一緒ならではのメリットです。
一方、室内飼いのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
人間だけで暮らすときより、どうしても部屋が汚れやすくなります。とくに抜け毛に悩む方も多いようです。また、動物独特のにおいやトイレのにおいが気になる方も。
アレルギーはどうしても個人で対応できません。自宅に誰かを招きたいときでも、動物の毛でアレルギーを発症してしまう方を呼ぶことができないのはデメリットだと言えるでしょう。
かなり一生懸命掃除をしても、アレルギー症状が出てしまうケースがあるそうです。
愛犬を可愛がるあまり、ライフスタイルが犬中心になってしまうケースもあるようです。たとえば、犬の動きやすさを優先しすぎた結果、人間が使えるスペースが少なくなってしまうようなことも。
あれやこれやと世話を焼き、優先しすぎて、甘やかされすぎた犬が「自分がこの家のリーダーだ」と勘違いさせてしまう可能性にも注意が必要です。
犬の外飼い・室内飼いを決めるときには、前述したメリット・デメリットや住宅事情を考慮すると良いでしょう。
例えば、「室内飼いをしたいけれど、同居の家族がアレルギーで…」「どうしても家の汚れが気になってしまう」。こんな場合には外飼いを選択したほうが良さそうです。
「外に出して事故や誘拐にあったらどうしよう」「暑さや寒さでストレスを与えたら可哀想」。こんな場合なら室内飼いがオススメです。
今の時代は室内飼いが主流です。小型犬だけではなく、中型犬、大型犬も一緒に暮らしている家は少なくありません。室内飼いならではのメリットも多く、愛犬と家族が安心して暮らしやすい飼い方でしょう。
一方、外飼いにもメリットがあります。外飼いならではのメリットもぜひ考慮してみてください。
外飼い、室内飼いは、どちらも愛犬のことを考えているからこそ悩むものです。どちらを選ぶにしても、愛情をたっぷり注いであげてくださいね!