愛犬の室内飼いが増えている昨今、家の中に使う「床材」にも注目が集まっています。愛犬が暮らしやすい環境を整えるためには、床材の選択も重要と考えられているのです。
しかし、愛犬を優先にしすぎて飼い主や家族の生活を圧迫してしまっては本末転倒です。
最近の床材はバリエーション豊かで、飼い主が望む条件を満たせるものを選ぶことも可能になりました。
そこで今回は、愛犬も家族も快適に暮らしやすい床材の種類やメリット、設置時の注意点などについて詳しく解説します。
犬はダッシュやブレーキのような緩急がついた動きをすることが多く、肉球でしっかりと地面を掴むように歩いています。野外なら肉球や足で掴みやすい土や草の上を踏み締めているため、滑る・転ぶといったアクシデントはあまり起こりません。
しかし室内飼いが増えた今、土や草のような床ではなく、人間の利便性に合わせた床材の上で生活する犬も増えています。ものによっては犬の生活に合わない床材も。
室内飼いの犬は長い時間を家の床の上で過ごします。身体に負担がかかりにくく、安全に生活できるような床材が理想的です。愛犬に適した床材を設置することは、どのようなメリットに繋がるのでしょうか。
犬に適した床材にすると転倒防止に役立ちます。フローリングのようなツルツルした床材は滑りやすく、犬の足では歩きにくく、シニア犬は移動に大きな負担を感じるようになります。若い犬でも勢いをつけた動きのときには転倒してしまうことも。
転倒すれば怪我の可能性もあるでしょう。滑りにくい床材にするとその危険を軽減できます。シニア犬も歩きやすくなりますよ。
ペットとの生活が可能な集合住宅にお住まいの愛犬家もいらっしゃることでしょう。集合住宅では騒音問題が起きることがありますが、実はペットの足音も騒音の原因として取り上げられることがあります。
とくに音が響きやすい床材で、防音対策が不足しているときには、愛犬の可愛らしい足音が階下では騒音のように聞こえてしまうことも。防音性が高い床材を選ぶことにより、ペットの騒音トラブルを減らしましょう。
ペットとの生活に向いた床材を選ぶことは、愛犬だけではなく、実は飼い主にもメリットが生じます。
犬に限らず、ペットは何かと床を汚しがちですよね。イタズラや食べこぼしなど、床を汚してしまうことは多々あります。それもまた愛犬の行動と思えば可愛いのですが、掃除が大変なのは困りものです。
ペット向けの床材には掃除が簡単なものが多く、今までよりも掃除時間をグンと短縮できるようになります。
家族は気にならなくても、友人・知人が遊びに来たときにはペットのにおいが気になるかもしれません。床材によっては消臭効果が高いものもあり、におい対策をしたいご家庭にぴったりです。
ペット向けの床材の中には、表面に強加工がほどこされているものがあります。爪あとがつきにくく、ついても目立ちにくくなる効果があります。
また、お掃除もラクになります。爪あとで凹んだ部分には小さなゴミやホコリが溜まりやすいのですが、このような床材ならその手間が減らせますね。
人が生活する住宅に使われる床材はさまざまな種類があります。愛犬と快適に暮らす環境にするためには、どのような床材が向いているのでしょうか。それぞれのメリットや設置時の注意点となるデメリットについてチェックしてみましょう。
結論から言ってしまうと、愛犬との生活にとってフローリングはあまりメリットがありません。人の生活にはとても便利なのですが、犬にとっては滑りやすく、足腰への負担や転倒の心配があります。
ただ、最近はペット用のフローリングがリリースされています。フローリングではありますが、滑りにくい加工が施されています。フローリングの見た目と滑りにくさを重視したい人であれば、選択肢に入れても良いかもしれません。
絨毯はフローリングと比べ、滑りにくい・転倒しにくいというメリットがあります。また、入居した家がフローリングでも、その上から絨毯を敷けばフローリングのデメリットをカバーできるのもメリットでしょう。
設置時の注意点としては、粗相の臭いが染み込みやすい・ホコリやダニの発生が心配・爪で傷んだ部分が目立ちやすいなどが考えられます。
畳はクッション性があるため、犬の生活に適しています。足腰や関節への負担を考えてあげたい場合に適しているでしょう。
デメリットとしては、爪で毛羽立ちやすい・防水加工をしていない畳は手入れがしにくいという点です。最近は防水加工をしている畳もありますので、畳を敷きたいときにはそちらを取り入れてみるのも良いでしょう。
コルクマットはクッション性が非常に高く、愛犬のいる家にとって心強い味方になってくれます。フローリングや畳の上に敷けるため、リフォームや大がかりな作業が難しいご家庭でも手軽に取り入れられます。
劣化するとボロボロになりやすいことや、粗相をしてしまったときのお手入れに手間がかかりがちなことがデメリットです。
タイルカーペットは1枚の絨毯やカーペットを分割した形をしています。必要な部分に必要なだけ設置できるメリットがあります。
デメリットはほかの床材と一部分だけ印象が変わってしまうことや、多く設置すると費用がかさむことが考えられます。
いろいろな床材をご紹介しましたが、実際に選ぶ場合にはどの床材が良いのでしょうか。選ぶときにはご自分やご家庭の好みや意見のほか、以下のようなことも含めて考えてみてください。
床材の性質によっては、犬の健康的な生活に向かないものもあります。室内で多くの時間を過ごす愛犬の安全や健康を守れるかどうか、滑りやすさやクッション性などをよくチェックしましょう。
家中の床を全部変えるのか、それとも愛犬が生活する範囲を決め、その範囲だけにするのかなど、床材を変更する部分や範囲について考えましょう。
床材の変更範囲は費用や見映えに関わってきます。予算と目的のバランスが取れる床材がおすすめです。
愛犬の健康や安全はどの飼い主にとっても大切、そして心配ごとです。家の床材によって愛犬の安全や健康に影響が出るのなら、できるだけ影響が少ないものに変えてあげたいと思うでしょう。家族の生活にメリットがあればなお嬉しいですよね。
最近ではペットが暮らしやすい床材が手に入りやすくなっています。防臭や防音など生活環境や目的に合わせて選べるようになりました。
ペットショップやホームセンターはもちろん、通販でもバリエーション豊かな床材を見つけられます。愛犬との快適な生活のため、ぜひチェックしてみてくださいね!