10年以上も夢じゃない! 長生きしてくれる健康な金魚を見分けるポイントとは?

いつの時代も金魚は大変人気があるペットの一つです。犬や猫のように鳴き声で飼い主さんに応えたり、直接触ったりはできませんが、水槽の中でゆったりと泳ぐ姿で見る人を癒してくれます。
そんな金魚ですが、ペットショップやお祭りの金魚すくいなどで簡単に手に入りやすい割に飼育をためらう方が多い傾向にあります。
「水槽やエアポンプなどで高額な初期費用がかかりそう」「実は想像以上に手間がかかりそう」といった理由が挙げられますが、中でも気になるのが「すぐに弱って死んでしまいそう」というもの。

しかし、実際のところ、金魚はそれほど生命力の弱い生き物ではありません。
むしろ魚類の中では環境変化に強く、生命力もそれなり。体が強い子を選び、適切な環境を用意してあげれば10年以上長生きする子もいるのです。

そこで今回は、健康な金魚を見分けるポイントや体が丈夫な金魚の種類、金魚を飼育する際の注意点についてご紹介します。

健康な金魚を見分けるポイント

まずは長生きしてくれそうな子を選びましょう。次に挙げるのは健康な金魚にみられる特徴です。
このうち、最低2つはクリアしていると良いでしょう。最初に元気な子を選んでおけば、実際にお世話する際も何かと楽です。

元気に泳いでいる子

体が丈夫で元気な子は動きが俊敏でヒレの動きも大きく、体全体を使って元気に泳いでいるのがわかります。
逆に水槽の下の方でじっとしている場合は体が弱っているかもしれません。
なお、人の近くに寄ってきてくれるような子は人懐っこい、物怖じしない性格であるとともに、リラックスしている状態でもあります。
ストレスを溜めにくい、おおらかな子は病気にもなりにくいのでおすすめです。

ヒレがピンと張っており、傷ついていない子

ピンと張ったヒレを元気に動かしている子にも注目です。ヒレは魚類にとって体を動かすために欠かせない運動器。しかし、そこが弱っているとなると健康な状態とは言えないでしょう。
たとえば、金魚の背中についている背ビレ。金魚にとって背ビレは健康のバロメーターであり、ここがピンと張っていれば体調に大きな問題はありません。
もし背ビレがたたまれている状態の場合は体調が良くない可能性があります。
このような子は動きも非常に緩慢だったり、じっとしていたりするので、様子をよく観察してみましょう。
また、ヒレが傷ついている子も要注意です。免疫力が低下していたり、すでに病気になっていたりすることがあります。

長過ぎるフンや白い半透明のフンがついていない子

人の便は健康チェックの重要なポイントですが、それは金魚も同じ。
あまりに長いフンをつけている場合は消化不良を起こしている可能性があります。
また、お腹が異様に膨らんでいる子は「よく食べる元気な子」と思われがちですが、実際は消化器官に何らかのトラブルを抱えている場合があるので注意しましょう。
そして白い半透明のフンは下痢なので、お腹の膨らみと同様にしっかりチェックしてください。

体に厚みがある子

餌から得た栄養をしっかり吸収している子は、やはり体格も立派です。
金魚の場合は体の厚みをチェックしてみましょう。しっかり厚みのある子なら問題ありませんが、ほかの子と比べて厚みがなく、細い場合は少々体が弱い可能性があります。

体に透明感・艶がある子

健康な金魚の体には透明感や艶があります。逆に何となく白っぽく濁っているのは、あまり調子が良くない状態だと言えるでしょう。
水槽の中から透明感や艶の有無を判断するのは難しいですが、とにかく「体全体がぼやけて見えず、鱗が輝いている」ことを念頭に探してみてください。

初心者におすすめ! 体が丈夫で飼育しやすい金魚の品種4選

長く一緒に生活できる子を探すためには、体が丈夫で初心者にも飼育しやすい品種を選ぶことも大切です。
金魚の飼育を検討している場合は、次のような種類を中心に探してみてはいかがでしょうか。

和金

和金(わきん)はフナとそっくりな形の最もスタンダードな金魚です。
お祭りの金魚すくいで見るのはこの和金であり、光り輝く朱色に親しみを覚える方も多いのではないでしょうか。
市場に多く流通しているため手に入りやすく、体も丈夫なので「入門の金魚」としておすすめです。
朱色以外にもゴールドや紅白などのカラーバリエーションがあり、見た目も楽しめますよ!

コメット

紅白の色がとても上品で美しいコメットは、アメリカで品種改良された金魚です。和金と体型が似ていますが、尾ビレはコメットの方が長く、その動きは優美そのもの。
体も強く、病気にかかりにくいので初心者の方におすすめです。

琉金

琉金(リュウキン)は中国から入ってきた品種で、腹部を中心にふっくらとしている体型が特徴です。
ヒレも比較的大きくて長く、体も丈夫。見ているだけで「福」がやってきそうな、見る人をウキウキさせてくれる子でもあります。

オランダシシガシラ

名前からしてオランダの金魚だと思われがちですが、実際の原産国は中国。琉金と同様に体がぽってりしており、頭頂部がもりあがっているのが特徴です。
レースのような大きめのヒレをはためかせる可憐な姿はまるで貴婦人のよう。しかし、見た目に反して体は非常に丈夫なので「初心者だけど、個性的な金魚を飼いたい!」という方はぜひ、このオランダシシガシラを検討してみてはいかがでしょうか。穏やかで、人に懐きやすい性格も魅力です。

金魚を飼育する際の注意点

金魚を飼育する際の注意点
金魚に長生きしてもらうためには、前述のような健康状態のチェックや品種選びのほか、お迎えした後の飼育の仕方についても次のような注意が必要です。

なるべく水槽で飼う

金魚を花瓶やサラダボウルに入れて飼う「どんぶり金魚」なる飼い方がありますが、金魚に長生きしてもらうためには、水槽で飼育するのがベストです。
ペットショップやホームセンターには水槽やエアポンプ、水草、餌、中和剤(カルキ抜き)がセットになった金魚飼育セットが販売されているので、初心者の方はこのような商品を購入して、金魚に心地良い環境を与えてあげてください。

定期的に水換えして水をきれいに保つ

金魚の健康を維持するには、水槽の水をきれいに保って飼育環境を整えてあげることが大切です。
したがって、2週間に1度は水換えして、きれいな水質を維持してあげましょう。このとき、水替えするのは全体の3分の1に抑えてください。すべて新しい水にしてしまうと水質が急激に変化して金魚にストレスを与えてしまいます。
また、水温にも注意してください。水換えで水温が急激に変化すると、これもストレスの原因になります。新しい水を入れるときは水温を調節してからにしましょう。
水温の調節は水とお湯を混ぜる、水槽用ヒーターを使うなどして行います。

餌を与えすぎない

餌の与えすぎは消化不良を起こし、病気の原因になることがあります。
また、多量の餌が水中に入ることで水が汚れやすくなり、結果的に金魚の住環境も悪化させてしまいます。
餌をあげていると「もっと食べて満足してほしいな」と思ってしまうものですが、ここはグッと我慢して適量でおさめるように心がけましょう。

混泳相性の悪い品種を同じ水槽に入れない

混泳の相性が悪い品種を同じ水槽に入れて飼わないように注意しましょう。
相性の良くない品種を混泳させてしまうと、いじめられた金魚に過大なストレスがかかって死んでしまうことがあります。

小さい水槽で複数匹飼わない

小さい水槽のスペースに見合わない複数匹飼育は水槽内が窮屈になってしまいますし、餌の取り合いが発生するため金魚たちにストレスが溜まってしまいます。

まとめ

健康な金魚を見分けるポイントや体が丈夫な金魚の品種、金魚を飼育する際の注意点についてご紹介しました。
金魚に長生きしてもらうためには最初の段階で体の丈夫な子を選ぶことが大事ですが、それ以上に、お迎えしてから適切に飼育することの方がもっと大切です。
お祭りの金魚すくいで購入した金魚を丁寧に飼育した結果、15年、20年生きたという例があることからも、飼育の状況がどれほど金魚の寿命に影響を与えるかがわかります。
長く一緒に暮らしていくためにも、金魚の飼育を検討している方は金魚の飼育方法についてしっかり学んでからお迎えしましょう。

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