「生物多様性」について考えてみよう

多くの方が「生物多様性」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。しかし、それが具体的に何を指し示しているのかご存知でしょうか?
今回は「生物多様性」について簡単にご紹介いたしますので、自然を守るために私たち1人1人が日頃からできることを改めて考えてみましょう。

私たち人間も自然界の一員! 「生物多様性」とは?

生物多様性とは、とても簡単に説明すると「豊かな個性を持った様々な生物がいる」ということです。
いろいろな意見がありますので一概にはまとめられませんが、単に動植物の種類が多いことを意味するだけでなく、複雑で多様な生態系そのものを指すこともあります。

太陽を浴びて植物が成長し、その植物を動物が食べ、動物が死ねば微生物がそれを分解し、その養分を植物が吸収する。このようにお互いが関わり合って暮らしている生物や、それらが住む環境をまとめて「生態系」と呼びます。

普段の生活においてはなかなか実感が得られないかもしれませんが、もちろん私たち人間を含め、生物たちは互いに影響しあってこの地球上で生きています。
このような生物同士の繋がり、それらが積み上げてきたものによって、自然界全体のバランスが保たれているのです。

生物多様性について知ることが自然を守ることに繋がる?

「豊かな生物多様性のため、自然を守ろう」と聞いたことがある方も多いと思います。なかには、なぜ生物多様性のために自然を守る必要があるのだろう?と考えたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、それには明確な理由があります。

先ほどもご紹介した通り、生物はお互いに繋がりあって自然界のバランスを保っています。その中でも特に人間は、食糧や木材、薬の原料など様々な自然の資源に支えられて生活していますよね。
ところが気候変動や人間の活動によって、ある1種類の生物の数だけが大きく増えたり減ったりするとバランスが狂います。生物の繋がりは私たち人間が考える以上に広く複雑なため、少しバランスが崩れただけでも他の生物への影響がどこまで及ぶのかを正確に把握することは難しいのです。

例えば何らかの原因によって身近な生物が消えた、食糧がなくなってきた、病気が流行りだしたなど、異変に気づいた頃には手遅れとなっている可能性もあります。それらの危機を避けるためにも、自然界のバランスが崩れないよう生物やそれらが住む環境を守る必要があるのです。
また、自然問題を考えるとき、どうしても人間は「人の役に立つから守ろう」という目線で考えがちです。しかし、地球上の生物たちはもちろん人間のためだけに存在しているわけではないので、それを十分理解した上で自然について考えることが大切なのです。

生物多様性を守るために私たちができること

生物多様性が失われ、自然界のバランスが崩れると日常の暮らしにも悪影響が及ぶ恐れがあることがわかりましたが、それを避けるために私たち1人1人が日頃からできることにはどんなものがあるのでしょうか?

それは「日々、自然を意識して生活する」ことです。しかし、保全活動への参加や環境についての勉強となるとハードルが上がり難しく感じる方もいらっしゃることと思います。
そんな方は日常の生活の中で、環境保全を考慮して作られた製品を選んで購入してみたり、都市開発計画の意見募集に参加するなど、気軽に自分の出来そうなことから始めてみましょう。

具体的には、例えば日頃からゴミはしっかりと分別して出し、不法投棄をしないことはもちろん、自然環境への負担が少ないEV車やハイブリッドカーを利用してみるなど、身近に取り組めることがたくさんあります。こうした1人1人がコツコツ積み重ねた行動が未来の自然環境保全に繋がるのです。

まとめ

生物多様性を守るということは、私たち人間が自然界との見えない「繋がり」を守ることでもあるので決して簡単なことではありません。
だからこそ、1人1人がよく考え行動に移していく必要があります。自然が持つ豊かさをこの先も未来へと継いでいけるよう、今一度自分の身近な自然を守ることについてまずは見直してみてはいかがでしょうか?

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