噛み癖は直せるの? 愛犬が手を噛んでくる理由と改善法

飼い主さんの中には、愛犬の噛み癖に悩んでいる人がいるかもしれません。子犬でも成犬でも、噛み癖はなるべく早く直さなければ後になってトラブルを起こす恐れもあります。
噛み癖が起こる原因は複数考えられるため、愛犬の事情に合わせた対応が必要です。愛犬に寄り添いながら適切なトレーニングをして改善を目指しましょう。

今回は、愛犬の噛み癖を直す必要性や、噛み癖の原因、改善方法などについて詳しくご紹介します。

犬の噛み癖の理由は? 本能と環境に左右される!

犬の噛み癖に悩んでいる飼い主さんは、その原因に心当たりがあるでしょうか。まずは愛犬が噛んでしまう原因を知り、改善について考えていきましょう。犬が噛み癖をつけてしまう代表的な5つの原因をご紹介します。

口の中がかゆい

もしも噛み癖のある犬がまだ子犬なら、歯の生え変わりが原因で「口の中に違和感がある!かゆい!」と感じ、解消しようとして噛んでいるのかもしれません。
犬の歯は、一般的に生後約4~6か月の頃にかけて生え変わります。この時期に噛むようになったら、歯が健康的に生え変わってきているかどうかをチェックしてあげてみてください。

遊んでいるつもり

飼い主にとっては深刻な噛み癖でも、愛犬は遊んでいるつもりの場合があります。
子犬時代に飼い主が「なんだ、遊んでいるだけなのか」と譲歩して噛み癖をそのままにしてしまうと、成犬に成長して力が強くなっても続けてしまいかねません。
遊ぶ姿はかわいいものですが、愛犬の将来を考えて、早めに対処することを考えましょう。

本能的な行動

犬は本能的に噛んでしまうこともあります。たとえば愛犬が寝ているときや遊んでいるとき、かわいいからといって、愛犬が予期しないタイミングで撫でたら噛まれた経験はありませんか。
急に触られた犬は「攻撃された!」と思い込み、身を守るために噛んでしまう可能性があります。
本能による行動はコントロールが難しいため、専門家のトレーニングを受けることの検討したり、周囲が注意して生活するなどの配慮が必要になるでしょう。

ストレス

犬にとって苦手なことをされたり、怖い思いをしたりなど、ストレスがかかったときにも噛む場合があります。嫌なシーンから逃げたいと考え、噛んでしまうということです。
たとえば爪切りや入浴のタイミングで噛むことがあれば、それは愛犬が苦手なシーンなのでしょう。また、運動不足や体調不良、環境変化などでストレスを感じるケースもあります。

飼い主の気を引こうとしている

飼い主に構ってほしい、甘えたいという気持ちから、「こちらを見てよ!」という意味で噛むこともあります。
なんともかわいい行動に思えますが、成犬になって力加減を間違えると大怪我をさせてしまう可能性もあるため、子犬の頃から「構ってほしくても噛んではいけない」と教えてあげてください。

噛み癖を放置しているとどうなる? 考えられるケースとは

噛み癖の放置は愛犬自身、飼い主、周囲の人など広い範囲に悪影響を与えてしまいかねません。もしも噛み癖を改善しないままにしておいた場合、どのようなことが起こりやすいのか考えてみましょう。

飼い主や他人に傷を負わせてしまう可能性

「噛んではいけない」と知らないまま成長してしまうと、自分の要求を通したいときやストレスから逃れたいときなどに「噛むこと」そのものを伝達手段としてしまうようになります。
子犬の頃は噛んでもそれほど力が強くなく、「甘噛みするなんてかわいいな」と思える程度かもしれませんが、成犬になればそれでは済みません。噛んだ相手に大怪我をさせてしまう可能性もあります。
たとえそれが害意を持った行動ではなくても、人を噛んだ犬は「咬傷事故を起こした犬」として扱われることになります。
他人が被害者であれば治療費や賠償も発生するため、誰にとっても後味の悪い結果になってしまうでしょう。

物を破損する可能性

室内飼いの場合、家具や衣類などを噛んで破損してしまう恐れがあります。インテリアが損ねられるだけではなく、破損したものの誤飲なども心配しなくてはいけません。
飼い主や家族の住環境が悪化するとともに、被害の度合いによっては金銭面でも悩みが出てしまうでしょう。
自宅ならまだしも、よその家や持ち物を噛んで破損してしまった場合、弁償する必要が生じたり、今後のお付き合いに悪影響が出たりすることもあります。

ブラッシングや入浴などが難しくなる

ブラッシングや入浴、爪切りなどのタイミングで噛む場合、力の強い成犬になっても噛み癖が直らなければ、飼い主の手に負えなくなります。
ブラッシングや入浴のたびに噛まれることは飼い主にとっても苦痛になり、きちんとしたお手入れをしてあげられなくなるかもしれません。
外部の力を借りてお手入れをするとしても、トリミングサロンによっては噛み癖のある犬を受け入れないこともあるため、やはり噛み癖の対策は必須になるでしょう。

噛み癖の対策は? 原因を探って適切な対応を

噛み癖を改善するためには、噛む原因を突き止めて対応していく必要があります。具体的にはどのようなことをするとよいのでしょうか。

噛まれたら「痛い」と表現する

愛犬に噛まれたときには黙ってやり過ごすのではなく、「痛い」と表現して「やってはいけないこと」だと教えましょう。
その際、大声で叱りつけるのではなく、「痛い」という事実を伝えてその場を立ち去るなどの方法がおすすめです。
「飼い主を噛んだら痛がり、そのせいで自分のそばからいなくなってしまう」と愛犬に学習させることにより、噛み癖の改善を目指します。
このとき、大声で注意したり、大げさに痛がったりすることはおすすめできません。「遊んでいるのかな」「楽しそう」と愛犬が勘違いして、効果が薄れてしまう可能性があります。

噛むおもちゃをあげて欲求を発散させる

もともと犬は噛む動物です。噛んで遊べるおもちゃをあげて、「噛みたい!」という欲求を満たしてあげましょう。
ただし、飼い主が手に持って遊ぶおもちゃは「おもちゃを噛んでよい=手も噛んでよい」と誤った学習をしてしまう恐れがあります。噛み癖がある場合、犬自身だけで遊べるおもちゃが適しているでしょう。

力関係を明確にする

飼い主よりも自分のほうが優位だと勘違いした犬は、飼い主の言うことを聞かないばかりか、攻撃的な性格になってしまうことがあります。噛み癖を直すためのしつけも受け入れなくなるでしょう。
飼い主のほうが優位であるということを教え、噛んではいけない存在であることや、噛み癖を直すためのしつけを受け入れなくてはならないと学習させることが大切です。

愛犬に寄り添いながら噛み癖を改善しよう

噛み癖の原因や直し方にはさまざまで、この記事でご紹介したもの以外にも多くの種類があります。愛犬の噛み癖に困っている飼い主さんは、愛犬がなぜ噛んでしまうのかを突き止め、適切な方法で改善していきましょう。

自分の力ではどうにもならない、適切なしつけ方に自信がないという場合には、ドッグトレーナーさんに相談してみるのも有効な選択肢です。
社会の中で一緒に楽しく暮らしていくためにも、愛犬の噛み癖を直せるように、愛犬に寄り添いながら諦めずに頑張りましょう。

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