毎日家族に愛らしい姿を見せてくれるペット。最近は屋内での飼育が主流となっているため、必然的にペットと一緒に過ごす時間が増えました。なかには一日のほとんどをペットと過ごしている方も少なくありませんが、そのような「親しき仲」でも気になってしまうのがペットのニオイです。
ペット自体が臭っているとペットがいる空間も同じように臭うようになるため、こういったいわゆる「ペット臭」は飼い主さんにとっては悩みの種です。外出先から帰宅した際は特にペット臭が気になる瞬間で、「これじゃお客さんを呼べない」と不安になる飼い主さんも。
また、ペットを飼いたくても、ニオイが心配で飼うのをためらっている方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、お部屋のペット臭の原因と対策、ニオイが気にならない動物についてご紹介します。
「何だか部屋が臭う。」、ペットを飼っているご家庭なら一度は経験するお部屋のニオイですが、排水口の詰まりやゴミの放置などの問題がない場合、そのニオイの原因は残念ながらペットであることがほとんどです。
ペットの体についた汚れで臭っている場合もあれば、トイレやおもちゃなどのペット関連アイテムが臭っていることもありますが、ときにはペットの体調不良が原因になっていることも。ペット臭の原因は具体的に次の5種類に大別されます。
生き物である以上、ある程度の体臭は仕方がありません。
たとえば犬は汗腺が足の裏にしかないためほとんど汗をかきませんが、体臭の原因となるアポクリン腺は全身にあります。また、全身を毛で覆われているので汗が毛に絡み、強い体臭の原因となります。
猫は一日に何度も毛づくろいするため体臭はさほど気になりませんが、長毛の子の場合は夏場の湿気による毛の蒸れや、肛門周りの毛に便がついてしまうことで臭う場合もあります。
最近は犬も室内のトイレで排泄させることが基本マナーとなっているため、以前よりニオイが気になるご家庭が増加傾向に。
猫の場合もトイレの掃除を怠ると当然ニオイの原因になります。
ペットの体調不良もニオイの原因の一つ。代表的な例は口臭で、犬や猫の場合は歯に付いた歯垢や歯石で雑菌が繁殖し、歯周病や口内炎などの口内疾患にかかると口臭が強くなります。また、消化器系の病気による下痢でトイレが臭うことも。
ペットが使うベッドやおもちゃ、ペット服、毛布なども汚れがたまれば当然ペット臭の原因になります。特に犬や猫が使用する布製のおもちゃやベッドは臭いやすく、防止するには定期的な洗濯が必要です。
ペットが食べ残したフードや汚れがついた餌皿から臭うことがあります。食べ物が傷みやすい梅雨時や夏場はこの傾向が顕著に。
ドッグフードやキャットフードは使用する材料の関係上、もともと独特のニオイがしますが、ペットが一度口をつけた食べ残しのフードは唾液や飲み水などの水分が混ざることでニオイがさらに強くなります。
前述の通り、生き物にはニオイはつきものです。したがって、動物をペットとして飼い、生活を共にするのであれば、ある程度のニオイは受け入れなければなりません。
しかし、お部屋に強いニオイが残らないように対策を講じることはできますし、その方が結果的に飼い主さんとペット、どちらにとっても最良の環境を維持できる上、お互いのストレス軽減につながります。
対策方法はニオイの原因によってそれぞれ異なりますが、基本的には次のような対策が有効です。
体の汚れや体臭がニオイの原因になっている場合は、体を清潔にするところから始めましょう。
犬の場合は月1回のシャンプーが理想ですが、できない場合は大きめのペット用ウェットティッシュやタオルで体を拭くだけでもかなりニオイを軽減できます。
室内飼いの猫の場合、基本的にシャンプーは不要ですが、汚れが気になるときは犬の場合と同じくペット用ウェットティッシュやタオルで体を拭いてください。その他の動物について、洗浄方法がわからない場合はかかりつけの獣医師やペットショップのスタッフの方に教わりましょう。
ペットがトイレで用を足した後はできるだけ早く処理して、常に清潔に保つように心がけましょう。このとき、トイレの周りに汚れがついていないか確認して、発見次第すぐに掃除することが大切です。
特に猫のおしっこは非常に臭うのでお部屋にペット臭がこもる原因になります。なお、これから猫(オス猫)をお迎えする予定の場合は去勢させましょう。
去勢されていないオス猫は生後半年を過ぎるとマーキング(スプレー行動)を始めるようになり、あちらこちらにおしっこをかけてしまいます。
ペット臭の原因となる口臭や下痢は体調不良の結果です。ペットの健康のためにも、犬や猫の飼い主さんは与えるフードの種類と量に配慮し、できれば1日1回の歯磨きも実践しましょう。
人間の食べ物やおやつをむやみに与えないことも、体調不良を防ぐ重要なポイントです。
便のニオイが強い場合はペットフードが合っていない可能性があります。
一般的に穀物が多く使われているフードは便のニオイが強くなる傾向がありますので、ペットが嫌がらないようであれば他のフードを試してみても良いでしょう。
ペットが使うおもちゃやベッドは月1回を目安に洗って、嫌なニオイが発生しないようにしましょう。
どうしても洗えないときはペット用消臭スプレーを使う手もあります。
ペットが食べ残したフードはなるべく早く処分し、餌皿は毎食後洗うのが理想です。忙しいときでも最低1日1回は必ず餌皿を洗いましょう。
洗う時は食器用洗剤(一般的な人用で可)とスポンジを使ってヌメリを取り、水でしっかり洗い流してくださいね。
ペットのいる空間で使っても問題のない置き型ペット用消臭剤を利用すれば、置くだけで気軽に消臭対策ができます。
ただし、ペットが誤って食べてしまわないよう、置き場所には気をつけてください。
本来なら窓を開けてこまめに換気をしたいところですが、周囲の騒音でペットが怖がってしまう場合や脱走が心配な場合は、脱臭機や空気清浄機を活用するのもおすすめです。
ニオイもかなり軽減できますし、最近はペットの抜け毛を吸い取る集塵機能付きの機種も販売されています。
ニオイが強いペットというと犬や猫のイメージが先行するため、「小動物なら大丈夫かな?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、小動物でも体臭が強い種類もいるので、それぞれの特徴を知ることが大切です。
体臭が少ない小動物では、ハムスターが挙げられます。ハムスターは体臭がほとんどなく、トイレを設置するとそこでおしっこをしてくれます。便はトイレ以外の場所でもしますが、ニオイはほとんど気になりません。
また、ウサギも同様にニオイの少ない動物ですが、動物に無臭を求めるのは無理がありますので、ペットを飼う際はある程度のニオイを受け入れる覚悟が必要です。住居環境や生活リズム、お世話できる時間によってはペットを飼うこと自体見送った方が良い場合もあります。
お部屋のペット臭の原因と対策、ニオイが気にならない動物についてご紹介しました。
ニオイの少ない動物でもハウスやベッドの掃除が十分でないとペット臭の原因になります。人とペット、どちらにとっても快適な住環境を維持するためにも、こまめに掃除してあげましょう。
また、ペットをお迎えする際はニオイの強弱だけではなく、お互いの相性や飼い主さんのライフスタイルに合ったペットを選ぶことも大切です。